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Geometry Colloquium: 射影空間のCalabi-Yau超曲面の場合におけるquasimapsのモジュライ空間の交点数と周期積分(松坂公暉)
2022年10月28日 開催
Time: 16:30 – 18:00
Place:理学部3号館3-204
Speaker:松坂公暉(北海道大学理学研究院 研究員)
Title: 射影空間のCalabi-Yau超曲面の場合におけるquasimapsのモジュライ空間の交点数と周期積分
Abstract:古典的ミラー対称性とは,計算が困難なA-モデルの相関関数(数学的にはGromov-Witten不変量の母関数として定義される)を,計算が比較的簡単にできるB-モデルの相関関数を用いて,ミラー写像を通じて計算できるのではないかという予想である.私が本研究で着目しているのは射影空間のCalabi-Yau超曲面の場合であり,今回はこの場合について扱う.
B-モデルの計算では,ある微分方程式の解が重要で,これは周期積分とよばれる.また,ミラー写像も周期積分を用いて表される.一方,秦泉寺雅夫氏が導入したquasimapsのモジュライ空間の交点数を用いると,(射影空間のCalabi-Yau超曲面の場合に)ミラー写像はその母関数として記述できることが知られている.本公演では射影空間のCalabi-Yau超曲面の場合における,quasimapsのモジュライ空間の交点数と周期積分(より一般にGiventalのI関数)の間のより一般的な関係についての研究成果を発表する.本研究は秦泉寺雅夫氏(岡山大学)との共同研究に基づく.