モデルコース(数理科学)

教員による、履修のモデルコースをご紹介します。履修の参考にしてください。
※これらは一例です。

黒田紘敏

【2年生】

基礎数学はどの分野に進むとしても必要となるものです。すべて履修しておいてください。ただし、基礎数学Eについては3年次の履修でも問題ありません。また、微分積分と線形代数の計算や応用に慣れる意味でも、微分積分学続論やベクトル解析も履修しておくことを勧めます。

  • 基礎数学A1, A2, B1, B2, C1, C2, D, 確率統計入門, コンピュータ

【3年生(1学期)】

基礎科目は分野を問わず履修しておくことを勧めます。様々な考え方に触れて学ぶことで、分野をまたいだ問題にも対応できるだけの基盤を作ることができます。

  • 基礎数学E, 解析学基礎, 代数学基礎, 幾何学基礎A,B

【3年生(2学期)】

専門的な内容に入ります。解析学A(複素関数論), B(常微分方程式論), C(測度論)はいずれも理論的な解析に必要です。さらに、数理科学Aでコンピューターを利用した数値解析の理論及び実習を学びます。これらは自然現象や工学的な問題を数理モデル化して解析するための基本的な内容です。挙げたもののほかに、幾何学A(多様体論)なども修得すれば様々なものを抽象化し表現することができるようになるので、興味・関心に応じて科目を選択してください。

  • 解析学A, B, C, 数理科学A,  (統計学)

【4年生】

卒業研究が始まり、指導教員のもとで専門書を読み進めます。講義と並行して自身で本を選んで学習する時期に入るので、興味がある内容を学んでみてください。解析学D(関数解析), 解析学E(フーリエ解析)は偏微分方程式の基礎理論を学ぶためには欠かせません。また、解析学F(確率論)は応用面で重要な役割を果たし、測度論の理解を深めるためにも履修を勧めます。さらに、数理科学Bで数値シミュレーション手法を学ぶことで、実際の問題へ考察対象を広げる機会とすることができます。やや高度な内容になりますが数理解析学続論も履修することで、発展的な内容に触れることができます。

  • 卒業研究, 解析学D, E, F, 数理科学B, 数理解析学続論(力学系入門, バナッハ空間論など)

【参考書】

様々な現象と数学との接続に触れる本

  • デヴィット・バージェス他『微分方程式で数学モデルを作ろう』日本評論社
  • 岡本久『日常現象からの解析学』近代科学社
  • 岡本健太郎他『社会に最先端の数学が求められるワケ(1) 新しい数学と産業の協奏』日本評論社
  • 杉山真吾他『社会に最先端の数学が求められるワケ(2) データ分析と数学の可能性』日本評論

解析学・微分方程式・数値計算

  • 千葉逸人『解くための微分方程式と力学系理論』現代数学社
  • G.D. スミス『コンピュータによる偏微分方程式の解法』サイエンス社
  • 戸川隼人『数値計算』岩波書店
  • 森正武『数値解析』共立出版
  • 伊藤清三著『ルベーグ積分入門』裳華房
  • 黒田成俊『関数解析』共立出版
  • Lawrence C. Evans『Partial Differential Equations. Second edition』American Mathematical Society
  • H. Brezis『Functional Analysis, Sobolev Spaces and Partial Differential Equations』Springer
  • Gerald B. Folland『Real Analysis. Second edition』Wiley
  • 千葉逸人『解くための微分方程式と力学系理論』現代数学社

行木孝夫

【2年⽣】

基本的な数学を⼀通り学んだ上で、計算機プログラムは使えるようになっておきたい。

  • 基礎数学A1,A2,B1,B2,C1,C2,D(線形代数学、位相、微分積分学)
  • コンピュータ(プログラミング⼊⾨)
  • 数学講読

【3年生(1学期)】

基礎数学E,幾何学基礎Aや解析学基礎Aに拘らず、様々な数学を学んでおくと応⽤の幅も広がります。その上で数学総合講義を受けておくと応⽤に関する視野が広がるでしょう。計算機を使う上では数理科学Aが基礎になります。

  • 基礎数学E (複素関数論入門)
  • 幾何学基礎A(曲線と曲⾯の定量的な性質)
  • 解析学基礎(ルベーグ積分論)
  • 数理科学A(数値計算⼊⾨)
  • 数学購読
  • 数学総合講義

【3年生(2学期)】

解析学基礎Bは確率論などの基礎付けに必須です。解析学Bで常微分⽅程式を学ぶと⾃然現象のモデル化を理解できるようになるでしょう。数理科学演習では数理科学Aで学んだ数値計算の基礎を実際にプログラムすることになります。

  • 解析学B(常微分⽅程式)
  • 数理科学演習(数値計算プログラミング)
  • 数学購読
  • 数学総合講義

【4年生】

解析学Eでは⼒学系の基本概念を学習します。数理科学Bでは発展的なプログラムを作成することになるでしょう。解析学Fで学ぶ確率論は応⽤にあたって重要な役割を果たします。⼤学院との共通講義になる数理解析学俗論は難しいかもしれませんが先端的な研究に触れる第⼀歩です。

  • 数理解析学続論(⼒学系)(力学系入門)
  • 数理科学B(⾮線形現象の数理と数値シミュレーション)
  • 解析学F(確率論)
  • 数理解析学続論
  • 数学総合講義