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応用特異点論ラボセミナー:Geometric equivalence among map germs II — K[G]-equivalence–(泉屋 周一 (北大応用特異点論ラボ))

2018年75日 開催

開催日時

2018年7月5日 16時30分 ~ 2018年7月5日 18時00分

場所

北海道大学・理学部3号館 3-210室

講演者

泉屋 周一 氏(北大・応用特異点論ラボ)

タイトル:Geometric equivalence among map germs II — K[G]-equivalence–写像芽の間の幾何学的同値関係II –K[G]-同値–

アブストラクト:J. Matherが導入したK-同値は当初A-同値を研究するため(Thomの安定性問題を解くため?)の付随的な概念として定義されたように思われるが、その後、Golubitsky-Scheafferによる分岐理論への応用やルジャンドル特異点論で主要な役割を担うこととなり、それ自身興味深い対象であると理解されるに至った。このK-同値はMatherが導入した時期とほぼ同時期にTougeronによりK[G]-同値(Tougeronの用語ではG-同値)に一般化された(時系列的にどちらが早かったかどうか解らないので一般化と言えるかどうかは不明)。ここで、Gは値域空間芽上の線形リー群である。この同値関係は、リー群の線形表現へ若干一般化することにより、スピントロニクスや光化学反応制御などの物質科学への応用の可能性があることがわかり、ここ数年研究を進めてきた。また、近年、欧米の特異点論研究者により、非孤立特異点の自然な例としてdeterminantal singularities の研究が、盛んになってきているが、その研究の一つのアプローチの仕方が、リー群の線形表現によるK[G]-同値の研究として捉えられる事もわかる。このK[G]-同値は、Gをいろいろ変えると様々な場合に帰着されるが、幸いなことに、任意のGに対してDamonの意味でのGeometric subgroup of Kとはなり、典型的な特異点論的手法が応用可能である。その点が、以前紹介したA[G]-同値との根本的な違いである。講演では、このK[G]-同値の基本的性質やGを変えることにより考えられる様々な応用の可能性について述べる。