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北海道特殊関数セミナー:確定特異点型GKZ超幾何函数のEuler型積分表示: 積分サイクル交叉理論と二次関係式(松原 宰栄)

2018年1023日 開催

開催日時

2018年10月23日 17時00分 ~ 2018年10月23日 18時30分

場所

北海道大学 理学部4号館 4-501

講演者

松原 宰栄 (神戸大 理)

講演題目:確定特異点型GKZ超幾何函数のEuler型積分表示: 積分サイクルと交叉理論と二次関係式

アブストラクト:
多項式の冪積の積分は一般にEuler積分と呼ばれ、長い研究の歴史を持つ。

この積分の冪指数はパラメーターとみなされる。Gel’fand, Kapranov, Zelevinskyの古典的な結果は、このパラメーターが非共鳴的な場合にEuler積分の満たすGauss-Manin系がGKZ超幾何系に他ならない事を主張している。

ところで、GKZ系は正則三角形分割や二次多面体といった豊饒な組み合わせ的構造を持つ。この組み合わせ的な構造が積分サイクルの言葉に反映されるかは不明であった。

本講演では、正則三角形分割という組み合わせ的情報を積分サイクルという位相的な情報に翻訳する方法を紹介する。すなわち、超曲面配置の補集合のある階数1の局所系係数ホモロジー群の基底を組み合わせ的に構成する。この積分サイクルの基底は級数解の基底との対応がある点が著しい。

さらに構成されたサイクルの基底に関して、交叉形式は自然にブロック対角化される。正則三角形分割が単模であれば、交叉形式が決定できる。応用としてGKZ超幾何級数に関する二次関係式が得られる。時間が許せばGrassman超幾何函数との関係にも触れる。

上記のことを、時間の許す限り話す。

(第14回北海道特殊関数セミナー)