イベント
幾何学コロキウム:独楽(コマ)の可積分系とnon-displaceableな特異ラグランジュ部分多様体(川崎盛通氏,京都大学数理解析研究所,学振PD)
2019年12月23日 開催
開催日時
2019年12月23日 16時 30分 ~ 2019年12月23日 18時 00分
場所
理学部3号館3-204室
講演者
川崎 盛通(京都大学数理解析研究所,学振PD)
タイトル: 独楽(コマ)の可積分系とnon-displaceableな特異ラグランジュ部分多様体
アブストラクト:
シンプレクティック多様体の部分集合がハミルトン微分同相写像によりdisplace(非交叉配置)できるかという問題は、ハミルトン力学系やホモロジカル・ミラー対称性との関係で多くの研究者により研究されている。Biran-Entov-Polterovichの2004年の有名な結果として、複素射影空間の標準的な可積分系の全てのファイバーの(non-)displaceabilityを判定したものがある。彼らの研究以降、閉トーリック多様体上の可積分系のファイバーのdisplaceabilityが多くの研究者により研究されてきた。今回の研究では、球面振り子、ラグランジュの独楽(コマ)やコワレフスカヤの独楽といった、余接束上の古典的な可積分系についてnon-displaceableな特異ファイバーを発見したので、それについて報告する。また、この系として、可積分系そのものについてもいくつか興味深い結果が得られたので、それについても報告する。本研究のアイデアについて簡潔に述べると、Biran-Entov-Polterovichの「幹(stem)」の議論の「相対版」を考えることが重要となる。本研究は首都大学東京の折田龍馬氏との共同研究であり、以下のプレプリントに基づく。
https://arxiv.org/abs/1905.13112
18日から同氏による 特別連続講演「シンプレクティック幾何学と擬準同型・擬状態」が行われます.