数理科学セミナー：半直線上の2周期時刻依存型離散時間量子ウォークの長時間極限分布

Time： 2026年2月17日（火）  16時30分 ～ 17時30分

Place：理学部3号館 3-413

Speaker：町田 拓也（日本大学）

Title：半直線上の2周期時刻依存型離散時間量子ウォークの長時間極限分布

Abstract：2016年に発表された半直線上の格子点を運動する離散時間量子ウォークの論文において、原点（端点）からある特殊な初期状態で出発する量子ウォーカーの空間分布に対して、長時間極限分布が導出された [1]。本講演では、原点から一般的な初期状態で出発する量子ウォーカーに対する極限分布を紹介する。量子ウォークのシステムは、量子ウォーカーの確率振幅に2つのユニタリ行列を交互に作用させることで時間発展するものとする。解析の結果、量子ウォークの極限分布は、2つのユニタリ行列の一方のみで決まることが明らかになった。また、ユニタリ行列が時刻に依存しない場合に対しては、有限時刻の確率分布の表現がKonno [2]の結果を応用することによって得られたので紹介する。講演内容は、Machida [3]に基づく。

[1] Takuya Machida, A quantum walk on the half line with a particular initial state, Quantum
Information Processing, Vol.15, No.8, pp. 3101-3119 (2016).

[2] Norio Konno, Quantum random walks in one dimension, Quantum Information Processing, 1(5),
345-354 (2002).

[3] Takuya Machida, Limit distribution of a time-dependent quantum walk on the half line,Quantum
Information Processing, Vol.19, 296 (2020).

（世話人：坂井 哲）