イベント
偏微分方程式セミナー: 時定数制御による連立Cahn–Hilliard方程式系の自由エネルギー風景の探索, 香川 渓一郎 氏
2025年5月30日 開催
Time:16:30 – 17:30
Place:理学部 4 号館 4-501 (hybrid)
Organizer:喜多 航佑、津原 駿
Speaker:香川 渓一郎 氏 (北海道大学)
Title:時定数制御による連立Cahn–Hilliard方程式系の自由エネルギー風景の探索
Abstract:溶媒中に分散したブロック共重合体は、溶媒との相分離によって形成される粒子の形状と粒子内部のミクロ相分離によって様々な3次元形態を示すことが実験的に確認されている。Avalos et al. (2024) はこの実験系に対して定義される自由エネルギー勾配系として、非局所項を含む連立Cahn–Hilliard方程式系を導出し、その自由エネルギーの極小解として実験系とよく似た形状が再現されることを報告した。しかしながらこの自由エネルギー風景の詳細は不明である。本研究では非局所項を外し空間1次元に簡素化した連立Cahn–Hilliard方程式系について、その自由エネルギー風景を調べた結果を紹介する。自由エネルギー風景内の定常解を探すにあたり、未知関数の時間発展の速さを決めるパラメタである時定数を制御する手法を活用した。なお、本講演の内容は渡辺毅氏(長野大学)、西浦廉政氏(北海道大学)との共同研究に基づく。