イベント

偏微分方程式セミナー: Higher-order asymptotic profiles of the solutions to the viscous Fornberg-Whitham equation, 福田 一貴

2020年73日 開催

開催日時

2020年7月3日 16時 30分 ~ 2020年7月3日 17時 30分

場所

オンライン開催

講演者

福田 一貴 氏 (信州大学)

本講演では, 粘性Fornberg-Whitham方程式の初期値問題に対する時間大域解の漸近挙動について取り扱う. Fornberg-Whitham方程式は水面波における砕波現象を記述する分散型方程式の一つであり, 分散効果が非局所的な畳み込み積分の形で与えられる. 一方, 本研究で扱う方程式は元の方程式に粘性項を付与したものであり, 非局所分散項付きのBurgers方程式とみなせる. この場合は粘性項による散逸効果により, 波が崩壊せず, 解の大域存在を容易に示すことができる. KdV-Burgers方程式などの, 分散項付きのBurgers型方程式に対しては, 初期値が空間遠方で減衰する場合, 解は非線形散逸波と呼ばれるBurgers方程式の自己相似解に漸近することとその最適な漸近レート, またその漸近レートが分散・散逸・移流のバランスによっては変化することなどが知られている. 本研究では, 粘性Fornberg-Whitham方程式に対して, 非局所分散項が(三階微分型の分散項と比べて)解の漸近挙動にどのような影響を与えるかに着目して研究を行った. 具体的には解の形状を第3次漸近形まで導出し, より高次の漸近形についての考察も行い, 解の構造に関する新しい知見が得られたので, KdV-Burgers方程式に対する結果と比較しながら紹介したい. なお, 本講演の結果は板坂健太氏との共同研究に基づく.

世話人:黒田 紘敏、浜向 直