イベント

クロスボーダーセミナー:脳梗塞急性期に対する自家骨髄間質細胞(BMSC)移植治療:医師主導治験RAINBOW研究/Phase I clinical trial of intracerebral transplantation using BMSC against acute ischemic stroke

2018年724日 開催

開催日時

2018年7月24日 16時30分 ~ 2018年7月24日 18時00分

場所

理学部3号館3-210

講演者

川堀 真人、七戸 秀夫、黒田 敏、寳金 清博

脳梗塞は脳血管が詰まることで麻痺や意識障害などを発症し、適切な治療を行った後でも死亡や後遺症を生じる重篤な疾患である。治療費(1.8 兆円)や介護費(2.5兆円)のみならず家族の離職など間接的に必要となる費用(推定2.3兆円)も莫大であり、その治療の発展は疾患数の増加が予想される高齢社会において急務である。近年、脳梗塞に対する細胞治療に期待が集まるが、自家骨髄間質細胞(BMSC)は、生命倫理や腫瘍形成の問題がないなど臨床応用に有利であると考えられる。我々は15年にわたる基礎研究を通じて脳梗塞に対するBMSC移植が機能改善に有効であることを報告し、現在、AMEDの支援の元、自家BMSC移植による脳梗塞再生治療に関する医師主導治験(RAINBOW研究、UMIN Clinical Trial ID:000026130)を開始している。本治療法は自家骨髄幹細胞を脳梗塞周囲に定位的に直接投与することで運動機能の改善を目指すものである。既に4例の患者への投与を終え、現時点まで重篤な有害事象無く治験を進める事が出来ており、中期的には予想されうる機能改善を得ている。しかし実際に治験を進める中で、細胞増殖方法や移植部位の決定など新たな問題点にも遭遇しており、今回、これらの諸問題について数学的アプローチによる解決の可能性を模索し報告すると共に意見交換を進めたいと考えている。