イベント
偏微分方程式セミナー: 遅延微分方程式の解の爆発問題について, 石渡 哲哉 氏
2026年10月23日 開催
Time:16:30 – 17:30
Place:理学部 3 号館 3-202 (hybrid)
Organizer:喜多 航佑
Speaker:石渡 哲哉 氏 (芝浦工業大学)
Title:遅延微分方程式の解の爆発問題について
Abstract:遅延微分方程式は,時間発展する微分方程式の中で,解の過去の情報を参照するものである。遅延微分方程式では,その時間遅れ(タイムラグ)の影響で,解に振動が現れたり,平衡解が不安定化することもあれば,不安定な周期解を持つ方程式に適切に時間遅れ項を導入することで不安定な軌道を安定化させるDF制御なども知られており,安定性という観点からは両面があり,一般に時間遅れがない系に比べて解の挙動は多様になる。本講演では,解の爆発という観点から時間遅れの効果についてこの数年考察した結果を紹介する。前半では,定数遅れの場合について,1次元問題において時間遅れがないODEとの比較についての考察、2次元問題については時間遅れが解の爆発を誘導する現象について紹介する。後半では,分布型遅れや状態依存遅れを持つ場合について扱う。分布型遅れでは、どのようなカーネル関数の場合に解が爆発するのかという観点からこれまで得られた成果について紹介する。状態依存遅れの場合は、この状態依存遅れそのものが非線形性を誘導することに注意し、簡単なtoy問題を題材にこれまで得られた成果について紹介する。なお,本講演は主に中田行彦氏(青山学院大学)や西口純矢氏(摂南大学)との共同研究に基づく。