イベント
第32回北海道特殊関数セミナー:修士論文講演会
2025年1月30日 開催
時間:15:00~16:40
場所:理学部4号館5階 4-501 室
第32回北海道特殊関数セミナーは、特殊関数に関する修士論文についての講演会です。
トピック: 北海道特殊関数セミナー
時間: 2025年1月30日 03:00 PM 大阪、札幌、東京
講演者: 富岡 賢(北大 理 修士2年)
講演時間:15:00~15:20
題目: Klein 特異点の解消と超幾何関数
概要: Klein 特異点は点のブローアップを繰り返すことで最小解消が得られることが知られている. しかし D 型, E型の Klein 特異点については, 特異点解消に現れる滑らかな複素曲面の貼り合わせ関数を明示的に書き下した文献は見受けられない.
この講演では, Klein 特異点の解消の理論に超幾何関数で構成される Schwarz 写像の理論を組み合わせることで, 貼り合わせの関数を具体的な数式で表示する方法を紹介する.
講演者: 満 文浩 (北大 理 修士2年)
講演時間:15:25~15:45
題目: テータ関数の関係式
概要: 2つの有理数 a,b を指標とするテータ関数 θ_{a,b}(z,τ) は, 複素平面の変数 z と複素上半平面の変数τの 2変数正則関数である. 4つのテータ関数θ_{0,0}(z,τ), θ_{0,1/2}(z,τ), θ_{1/2,0}(z,τ), θ_{1/2,1/2}(z,τ) は, リーマンのテータ関係式と呼ばれる4次関係式をみたすことが知られている.
この講演では, リーマンのテータ関係式を3次以上の関係式へ一般化する鏡映変換を用いた方法を説明する. そして一般化された関係式に z=0 を代入して得られるヤコビの恒等式の一般化を紹介する.
講演者: 窪田 真也 (北大 理 修士2年)
講演時間:15:50~16:10
題目:代数体の不分岐拡大が満たす不等式
概要:一般に, 代数体の拡大が不分岐拡大であるかどうかは, その相対代数体の判別式を用いて判定することができる. 特に, 有理数体上の非自明な不分岐拡大が存在しないことをMinkowski理論から証明できる.
そこで, 基礎体を有理数体から一般の代数体に変えた場合について, ある条件を満たす場合においては, 同様の結果が得られることを証明し, 非自明な不分岐拡大が存在しない代数体の例をいくつか紹介する.
講演者: 竹内 奏(北大 理 修士2年)
講演時間:16:15~16:35
題目:Etale Cohomology of Adic Spaces
概要: 非アルキメデス付値体に対して複素解析空間の類似物としてリジット解析空間やアディック空間が構築された. リジット空間が極大イデアルの集合を底空間としているのに対して, アディック空間は付値の同値類の集合を底空間とすることでより柔軟な幾何学的対象となっている. また, アディック空間のエタールコホモロジー理論はリジット解析空間のエタールコホモロジー理論の一般化となっている. この講演ではアディック空間を定義し, アディック空間のエタールコホモロジー理論の主定理であるスキームのエタールコホモロジーとの比較定理を紹介する.
(第32回北海道特殊関数セミナー)