イベント

日本数学会北海道支部講演会支部総会

2019年1220日 開催

開催日時

2019年12月20日 15時00分 ~ 2019年12月20日 18時10分

場所

理学部4号館 若手研究者交流室(501)

講演者

後藤 良彰 氏(小樽商大)・戸松 玲治 氏(北大)

<プログラム>

15:00~15:30 Tea time (理学部4号館501室)

15:30~16:30 戸松 玲治 氏
「Centrally free actions of amenable C*-tensor categories on von Neumann algebras 」

16:45~17:45 後藤 良彰 氏
「確定特異点型 GKZ 超幾何系の級数解と Euler 型積分」

17:50~18:10 支部総会

<アブストラクト>

戸松 玲治 氏
「Centrally free actions of amenable C*-tensor categories on von Neumann algebras 」

作用素環論の中心的なトピックとして,作用素環への群作用の研究がある.これはConnesによる単射的因子環上の自己同型群の研究を起源としており,群が「従順」か「非従順」かで研究手法がかなり異なってくる.今回扱うのは従順な方であるが,作用するのは群ではなくテンソル圏である.従順テンソル圏の作用を研究することで一つの定理から,次の3つを統一的に導くことができる.
1. Connes, Jones, Ocneanuらの従順離散群の結果,
2. 増田俊彦氏と講演者のコンパクト群の結果,
3. Popaの従順部分因子環の分類定理.

後藤 良彰 氏
「確定特異点型 GKZ 超幾何系の級数解と Euler 型積分」

GKZ 超幾何系は Gauss の超幾何微分方程式の多変数化の一種であり, これまで考えられてきた多変数超幾何系の多くを含んでいる.GKZ 超幾何系の解として, 級数を用いたものと積分を用いたものがそれぞれ研究されてきた.これまでは双方の具体的な解同士を直接結びつける研究はあまりなされていなかったが, 最近, 松原宰栄氏が級数解を直接積分表示する手法(積分サイクルの構成)を与えた.本講演では, 確定特異点を持つ GKZ 超幾何系に話を絞って, 級数解とその Euler 型積分表示について基本的なところから説明する.時間の許す限り, 最近の進展(松原氏との共同研究)についても紹介したい.

世話人:洞 彰人・秦泉寺 雅夫