イベント

群論セミナー: 系統樹の数学.特に近隣結合法の周辺

2018年64日 開催

開催日時

2018年6月4日 14時45分 ~ 2018年6月4日 16時15分

場所

理学部3号館 3-307

講演者

吉田 知行 (北大名誉教授)

概要:
系統樹とは,葉に名前の付いた(根付きまたは根無し)木である.枝に重さ(長さ)の付いていることも多い.近年系統樹の研究が盛んになっている強い動機は,分子生物学における進化系統樹の作成にある.数学の側からの研究は分野ごとに分かれていて,必ずしも分子系統学からの要請に答えていない.今回のセミナーでは,系統樹の基礎から始め,系統樹が生物データからどのように作成されるかを述べる.数学や代数統計から見ると以下の対応がある.

分割表 <—> 系統樹
A型ワイル群 <—> B型ワイル群
GP(S_{n+1}, S_n) <—> (S_{2n}, C_2 \unlfd S_n}, S_{2n})

系統樹作成に関する最大の未解決問題は,与えられた有限距離空間からそれに最も近い系統樹を作成することであろう.斉籐-根井による近隣結合法があるが,残念ながらこれは最適でない.
近隣結合法については,ネットにいくらでも解説があります.