イベント

幾何学コロキウム:20・12面体と超平面配置のミルナーファイバー(吉永正彦氏,北海道大学)

2019年104日 開催

開催日時

2019年10月4日 16時 30分 ~ 2019年10月4日 18時 00分

場所

理学部3号館3-204室

講演者

吉永 正彦(北海道大学)

タイトル: 20・12面体と超平面配置のミルナーファイバー

アブストラクト:
超平面配置に関する典型的な問題として、様々な幾何学的な不変量が組み合わせ論的に記述できるか、というものがある。本講演の前半ではこの問題に関する最近の話題の中から、「ミルナーファイバーの1次のベッチ数が組み合わせ論的に決まるか?」という問題に対する、Papadima-Suciu のアプローチ(予想)を紹介する。青本複体と呼ばれる、高次元の超幾何積分の記述に使われていた複体を有限体係数で考える、という斬新なアイデアで、多くの非自明な例に対してベッチ数(正確にはミルナーファイバーの1次のコホモロジーのモノドロミー固有空間の次元)を「正確に計算」することが知られている。

後半では、20・12面体と呼ばれる半正多面体から定まる超平面配置が上記問題に関連して非常に面白い性質(P-S予想の反例および1次のホモロジーのねじれ)を持つことを紹介する。時間が許せば、ホモロジーのねじれの分析の鍵になる、二重被覆の mod 2 ホモロジーの transfer 完全列とF_2係数青本複体の関係も紹介したい。

本講演は下記プレプリントに基づく: https://arxiv.org/abs/1902.06256