イベント
偏微分方程式セミナー: 離散半線形波動方程式の解に対する”ライフスパン”評価について, 和田 康司 氏
2026年10月2日 開催
Time:16:30 – 17:30
Place:理学部 3 号館 3-202 (hybrid)
Organizer:喜多 航佑
Speaker:和田 康司 氏 (北海道大学)
Title:離散半線形波動方程式の解に対する”ライフスパン”評価について
Abstract:半線形波動方程式に対する解の爆発と爆発時刻 (lifespan) の評価については1980年代から広く調べられている. 一方で,Matsuya(2013)は有限差分法によって得られる離散方程式の解は有限時間爆発が起こらないと指摘し,有限時間爆発が現れる離散アナログを導入した. この離散モデルに対する爆発時刻の上界評価はTsubotaら(2025,2026)によって得られている. そこで我々は,離散半線形波動方程式に対してはPDEで用いられる通常の意味での解の有限時間爆発が現れないという点から,閾値横断時刻と呼ばれる概念を導入する. これにより,十分小さい初期データに対して,有限差分によって得られる離散半線形波動方程式の解に対する閾値横断時刻の上界評価を得た. 特に,連続版の半線形波動方程式に対するライフスパンの上界評価と同じ初期値に関するオーダーの評価が得られることを示す. つまり,閾値横断時刻は離散半線形波動方程式の解に対するライフスパンの”ような”振る舞いが現れることを示唆している. 本講演の内容は室蘭工業大学の若狭恭平氏との共同研究に基づく.