イベント
談話会:K3曲面上の連接層の導来圏について(大内元気)、有界領域上の非線形熱方程式と放射型境界条件(喜多航佑)
2025年11月27日 開催
Schedule:15:00-17:30
Place: 理学部3号館2階3-202(対面開催)
Speaker: 大内 元気 氏(北大理)、喜多 航佑 氏(北大理)
Schedule:
15:00~16:00 大内 元気 氏
16:00~16:30 休憩
16:30~17:30 喜多 航佑 氏
大内 元気 / K3曲面上の連接層の導来圏について
代数多様体に対して、その上の連接層の導来圏と呼ばれる圏が定まります。ここ30年程で、連接層の導来圏は、層のモジュライ空間、双有理幾何学、ミラー対称性などの様々な観点から研究されるようになりました。本講演では、連接層の導来圏の紹介から始め、とくにK3曲面の場合に講演者が興味をもっている予想について紹介したいと思います。
喜多 航佑 / 有界領域上の非線形熱方程式と放射型境界条件
種々の現象を記述する数理モデルとして領域上の偏微分方程式を考える際は、領域内部の方程式だけでなく、境界条件を如何に適切に課すかという事が重要である。ここでは Stefan–Boltzmann の法則に想起される非線形放射則を含む一般の非線形境界条件を課した非線形熱方程式について主に考察する。この様な境界条件下では半線形のPDEに対してよく用いられる積分方程式を介した解析法が適用できない。本講演の前半では本研究の基礎となる高村–Brezis理論と呼ばれる非線形発展方程式論を簡単に紹介し、その応用として上記の問題の局所解の存在を示す。後半では、有界領域上の非線形熱方程式の時間大域解の存在・非存在は境界条件によって特徴付けられるという結果と関連する話題について説明する。本講演の一部は大谷光春名誉教授 (早稲田大学) との共同研究に基づく。