イベント

34回北海道特殊関数セミナー

2025年828日 開催

時間: 13:30-15:00
場所:理学部3号館4階, 3-413
講演者:中野 竜之介 氏  (北海道大学 理学院)
題目:4種4項平均の反復極限定理の代数幾何学的考察
概要:Borwein 兄弟は1991年に導入した算術幾何平均の変種を Jacobi のテータ定数の2倍公式を利用して Gauss の超幾何級数により表示した。その拡張として、加藤・松本(2009)において、正の実数 a,b,c,d を初項とし4種の4項平均を用いて定義される4つの数列が、3変数 Lauricella 超幾何級数 F_D で表される共通の値 M(a,b,c,d) に収束することが示された。本講演では、複素射影直線の6点で分岐する4重被覆の周期写像を考察し、前記の4種の4項平均が現れる Riemann テータ定数の変数変換を与え、Riemann テータ定数の周期写像による引き戻しと3変数 Lauricella 超幾何級数 F_D との間に成立する等式を示す。これらの公式による、前記の極限値 M(a,b,c,d)  を与える別証明を紹介する。

時間: 15:30-17:00
場所:理学部3号館4階, 3-413
講演者:金子 譲一 氏 (琉球大学 名誉教授)
題目:定数項恒等式
概要: 定数項恒等式とはローラン多項式の定数項を明示的に表す式で、その典型的な例は
CT[ \prod_{1\le i\ne j\le n} (1-x_i/x_j)^k]=(nk)!/(k!)^n 
のようなものである。本講演ではこのような恒等式の由来と証明方法の解説から始めて、特に Baker-Forrester 予想の Karolyi 等による証明及び最近の Y.Zhou 等による関連した問題に関する進展を解説したい。