イベント
第162回 HMMCセミナー : 西村 有香子 氏
2025年8月22日 開催
「第2回 数理科学 x 生命科学連携探索セミナー」共同開催
電子科学研究所 附属社会創造数学センター主催
学術変革領域研究(A)「マルチモーダルECM」共催
第162回 HMMCセミナー
Time: 2025年8月22日(金) 10時00分 ~ 2025年8月22日(金) 11時00分
Place: 北海道大学電子科学研究所 中央キャンパス総合研究棟2号館5階講義室 および ZOOMを使用したハイブリッド開催
Speaker: 西村 有香子 (北海道大学 遺伝子病制御研究所)
Title: 細胞移動を司る微小管メカノセンシングの役割
Abstract:
細胞の移動は、発生過程、創傷の修復、免疫応答、がんの浸潤といった多様な生命現象において、中心的な役割を果たしている。移動の際には、細胞が細胞外マトリックスのパターンを読み取り、細胞同士がその情報を連携し合い、それらの情報に応じて細胞内の骨格構造が再構成される必要がある。これらのイベントが高度に連携し合うことによって、細胞は決まった方向に進んでいくと考えられるが、その仕組みには未解明な部分が数多く残されている。
我々はこれまでに、主要な細胞骨格の一つである微小管がアクチン骨格と連携して細胞移動を駆動するメカニズムについて明らかにしてきた。一連の研究の中で、微小管は細胞内外からの力学刺激を感知し、アクチン骨格を制御する仕組みがあることが分かってきた。さらに、この仕組みを阻害すると、細胞同士の連携が阻害され集団での移動が上手くいかなくなることも分かってきた。現在は、この「微小管メカノセンシング」が、細胞外マトリックス情報をどのように感知・応答しているかについて実験・解析に取り組んでいるところである。
本セミナーでは生命科学研究者の立場からこれらの研究結果を紹介し、数理科学分野との連携や共同研究について模索したい。細胞移動のメカニズム解明は、これまでに多くの数理科学研究者が取り組んでいる魅力的な分野であるが、さらにマルチモダルECMの観点を取り入れた新しい視点からの共同研究を生み出したいと考えている。
オンラインでの参加希望の方はこちらより参加登録をお願いします。 (対面でのご参加は事前参加登録不要です。直接会場までお越し下さい。)
当日、体調のすぐれない方は対面でのご出席はご遠慮願います。