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北大代数解析セミナー: WKB解のリサージェンス性について, 神本 晋吾

2024年626日 開催

 Time:15:00-16:15

Place:理学部4号館 4-501

Speaker: 神本 晋吾 氏 (広島大学)

Title:WKB解のリサージェンス性について

Abstract: 

完全WKB解析は1983年の Voros による論文から始まった. これは, WKB解の接続問題を Borel 総和法に基づいて論じた画期的なものであった. その後, 青木, 河合, 竹井ら京都のグループや, Pham を中心とするニースのグループなどの貢献により, 発展を遂げてきた.

完全WKB解析において, WKB解の Borel 変換像の特異性の解析は, 接続公式を議論する上で重要となる. そのため, 理論の黎明期より, これらの特異点がどのように現れるかについては大きな問題となっていた.
特に, Ecalle によるリサージェンス理論を適用する上での前提ともなっている, WKB解のリサージェンス性に関する予想については, 今尚重要な未解決問題として残っている.

最近, ポテンシャルが, ある generic な非退化条件を満たす多項式の場合に, このWKB解のリサージェンス性に関する予想の解決が得られた. 本講演では, この結果の紹介を行う.
(本講演は, S. Sauzin (パリ天文台)と F. Fauvet (ストラスブール大学)との共同研究の内容を含む.)

Organizer: 梅田 陽子