イベント

30回北海道特殊関数セミナー:修士論文講演会

2024年130日 開催

時間:15:00~16:20

場所:理学部3号館4階 3-413 室

第30回北海道特殊関数セミナーは、特殊関数に関する修士論文についての講演会です。

トピック: 北海道特殊関数セミナー
時間: 2024年1月30日 03:00 PM 大阪、札幌、東京

講演者:  小村 寅之介(北大 理 修士2年)
講演時間:15:00~15:20
題目: 単体の積Δ^m×Δ^nの三角形分割
概要:単体の積Δ^m×Δ^nの三角形分割全体には,自然に対称群の積S_{m+1}×S_{n+1}が作用する. この作用による軌道の分類を考察する.
[1] でtrianguloidというものが定義され,それがΔ^m×Δ^nの三角形分割と一対一対応することが示されている. 従ってtrianguloidを分類することに帰着される. 結果,Δ^2×Δ^2の三角形分割が5つの軌道に分けられることが確かめられ, Δ^2×Δ^3の三角形分割は33個の軌道に分けられることが分かった.

[1] Pavel Galashin, Gleb Nenashev, and Alexander Postnikov “ Trianguloid and triangulations of root polytopes ”, Journal of Combinatorial Theory, Series A, Volume 201, 2024. https://doi.org/10.1016/j.jcta.2023.105802

講演者:  中野 竜之介(北大 理 修士2年)
講演時間:
15:20~15:40
題目: 6点で分岐する複素射影直線の4重被覆の周期積分
概要: 複素射影直線上の n+3 点の配置空間は, 許容列と呼ばれるパラメーターμ=(μ_1,…,μ_{n+3}) (0<μ_j<1) を指定することで, n次元複素超球 B_n の稠密開集合を B_n の解析自己同型群の離散部分群Γ(μ) で割った商空間と同型になることが知られている.  この講演では, n=3, μ=(1/4,1/4,1/4,1/4,1/4,3/4) の場合に,この同型写像のある代数曲線族の周期と3次元複素超球 B_3 の4次ジーゲル上半空間への埋め込みによるテータ関数のひき戻しを用いた構成を紹介する.

講演者:  長峰 実央 (北大 理 修士2年)
講演時間:15:40~16:00
題目:Construction of the logarithmic solutions of unimodular A-hypergeometric systems
概要:ノンジェネリックなパラメータに対するA-超幾何系のlog解の構成は Okuyama,Saitoによるフロベニウスの方法が知られている. しかし,具体的にどのようなときに,この方法で基本解が得られるかどうかを見極める必要がある. Aomoto-Gel’fand系はユニモジュラーなA-超幾何系の例として知られており, 本講演では,パラメータが0のときのAomoto-Gel’fand系の基本解の構成を通じて得られた, ユニモジュラーなA-超幾何系におけるパラメータがcoreに属する場合の基本解に関する定理を紹介する.

講演者: 藤田 晃平(北大 理 修士2年)
講演時間:16:00~16:20
題目: p進コホモロジーへのFrobenius作用とp進ガンマ関数
概要: p進体上で定義された代数多様体のドラムコホモロジーには, クリスタリンコホモロジーとの比較同型を通じて, Frobenius写像が作用する. この講演では, フェルマー曲線のFrobenius作用についてのGross-Koblitzの公式, および虚数乗法をもつ楕円曲線のFrobenius作用についてのOgusの公式を紹介する. いずれも, Frobenius作用をp進ガンマ関数を用いて記述する公式である.

(第30回北海道特殊関数セミナー)