イベント
談話会: ポテンシャル付き非線型シュレディンガー方程式の第一励起状態以下の解の時間大域ダイナミクス(眞崎聡)、時間非整数階偏微分方程式に対する逆問題の近年の新展開(劉 逸侃)
2023年7月27日 開催
Schedule:15:00-17:30
Place: 理学部4号館5階4-501+Zoom(ハイブリッド開催)
Speaker: 眞崎 聡(北大理)、劉 逸侃(北大理/電子科学研究所)
Schedule:
15:00~16:00 眞崎 聡 氏
16:00~16:30 懇談会
16:30~17:30 劉 逸侃 氏
眞崎聡/ポテンシャル付き非線型シュレディンガー方程式の第一励起状態以下の解の時間大域ダイナミクス
線形ポテンシャルを持つ3次元3次非線型シュレディンガー方程式を考える。線形ポテンシャルは対応するシュレディンガー作用素に負の単純固有値を一つ与えるようなものとする。このときこの非線型シュレディンガー方程式には、シュレディンガー作用素の固有関数の摂動として現れる小さな安定基底状態と線形ポテンシャルを除いた非線型シュレディンガー方程式に対する基底状態解の摂動として現れる大きな不安定第一励起状態が存在する。このような設定の下、小さな質量をもちエネルギーが第一励起状態よりも小さい解の挙動が2種類に分かれることを紹介する。
劉 逸侃/時間非整数階偏微分方程式に対する逆問題の近年の新展開
不均質媒質における異常拡散や粘弾性体など,通常の発展方程式で記述できない現象に対して,非整数階時間微分をもつ偏微分方程式は時間メモリー効果を表すことができ,数学と諸科学で注目を浴びている.近年はその基礎理論が整備され,関連する数値解析と逆問題(解の欠落データから係数などを決定する問題)も盛んに発展してきた.一見,関連する研究は十分になされ,結果も成熟してきたが,非整数階方程式特有の性質をさらに掘り下げることで,逆問題の定式化を一般化し観測データを削減する余地はまだある.本講演はCaputo時間微分をもつ非整数階拡散方程式および非整数階波動方程式を対象に,その順問題と逆問題に関する先行研究をレビューした上,近年得られたいくつかの逆問題の最新結果を取り上げて紹介する:
1. 解の短時間漸近挙動による階数決定逆問題の一意性
2. 一回の観測データによる係数決定逆問題の一意性