イベント
日本数学会北海道支部講演会・支部総会
2021年12月15日 開催
時間: 15:00-17:30
場所:Zoomによるオンライン開催
※zoomに関する案内をこのページ下部に追記しました(11/2更新)
講演者:本多俊一(公立千歳科学技術大学)、浜向直(北海道大学)
連絡先:跡部発 (連絡先はこちらに掲載しています)
プログラム
15:00–16:00 本多俊一
タイトル:空間曲線の縮閉線・伸開線と関連する線織面
アブストラクト:
平面曲線の縮閉線はその曲線の曲率円(接触円)の中心の軌跡として得られる曲線であり、伸開線はその曲線に巻きつけられた糸をたゆまないようにほぐしてゆくときの端点の軌跡として得られる曲線です。縮閉線をとる操作と伸開線をとる操作はある種の逆操作であることが知られています。縮閉線と伸開線は波の生成、光の波動性や振り子の等時性などの研究に利用されてきた曲線であり、自然に特異点(微分が零になる点)を持つ曲線です。
本講演では、空間曲線の縮閉線と伸開線について調査した結果を報告します。空間曲線の縮閉線は「接触球に由来する縮閉線」と「接触円に由来する縮閉線」の2種類を考えます。空間曲線の縮閉線と伸開線も自然に特異点を持つ曲線です。特異点を許容する空間曲線の微分幾何学的研究手法として、枠付き曲線の理論を適用します。(一般化された)Frenet枠やBishop枠などの動標構を利用し、上記曲線の定式化・調査を行います。空間曲線の場合においては、「接触円に由来する縮閉線」をとる操作と伸開線をとる操作がある種の逆操作であり、特異点型の対応が観察できます。上記曲線と関連する線織面(焦点曲面、法線曲面、接線曲面)についても紹介します。
16:15–17:15 浜向直
タイトル:平均曲率流方程式のゲーム解釈と動的境界値問題
アブストラクト:
平均曲率流方程式は、材料科学者のMullinsによって、金属の焼きなまし時の結晶粒界(界面)の運動を記述する方程式として提案された。この運動を追跡するための数学的手法の一つとして、粘性解理論を用いる等高面の方法が1990年代初めに確立され、さらに2000年代に入り、この粘性解が、ある二人・決定的ゲームの値関数としての表示公式を持つことも明らかになった。ゲームの戦略を調べることにより、界面運動の諸性質も導かれる。
本講演では、平均曲率流方程式の動的境界値問題を考える。これは、界面と領域境界との接触角度が、界面の動く速さに依存して決まる場合の境界値問題であるが、方程式の特異性に起因する難しさ故、等高面の方法に基づく解析は長らくなされてこなかった。粘性解の一意存在や、境界付近での適切なゲーム解釈、得られた解の公式の応用など、この問題に関する、講演者の最近の研究結果を紹介する。
17:15–17:30 支部総会
世話人:跡部発(北海道大学)・鈴木悠平(北海道大学)
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