齋藤睦 特任教授
研究概要
研究内容
微分作用素環及びその加群について研究しています。とりわけ、Gelfand、Kapranov、Zelevinskyにより組織的研究が始められた超幾何微分方程式系や、アフィントーリック多様体上の微分作用素環の加群の理論など、代数的トーラスが作用している場合を研究しています。この場合は、組合せ論的記述もでき、また、トーリックイデアルを通して様々な分野と関連していて興味深い分野です。
主要論文/主要著書
- M. Saito, B. Sturmfels, N. Takayama,
Groebner deformations of hypergeometric differential equations,
Algorithms and Computation in Mathematics 6,
Springer-Verlag, Berlin, Heidelberg, New York, (2000). - M. Saito, Isomorphism classes of A-hypergeometric systems,
Compos. Math., 128(3) (2001) 323–338. - M. Saito, W. N. Traves, Finite generation of rings of
differential operators of semigroup
algberas, J. Algebra, 278 (2004) 76–103. - M. Saito, Irreducible quotients of A-hypergeometric systems,
Compos. Math., 147(2) (2011) 613–632. - M. Saito, Limits of Jordan Lie subalgebras,
J. Lie Theory, 27(1) (2017) 51–84.
研究者総覧
連絡先
saito(at)math.sci.hokudai.ac.jp
インタビュー
Q. 先生の研究されていることを教えて下さい。
微分作用素環の代数的な構造の研究です。元々は超幾何微分方程式系というのをやっていたんですが,それに付随してトーリック多様体上の微分作用素間の研究をしています。
Q. その研究をしようと思ったきっかけはいつごろ?
今やっている研究は5,6年前からですね。
Q. では大学院の頃は他の事をやっていたんですか?
いえ,最初も微分作用素環の研究です。今言った5年前というのはトーリック多様体上の微分作用素環の研究です。
Q. 先生の研究分野はお薦めですか?
今ぼくのやっているのは基本的な事がまだ全然わかっていない状態なのでやり時だと思います。
Q. 数学の研究者になろうと思ったきっかけは?影響を受けた人物などいたのですか?
特にいないです。きっかけは基本的にただ数学が好きだったという一言に尽きます。
Q. 大学院に入ろうと思ったのも自然にですか?
そうですね。
Q. 研究者になろうというのも躊躇することなく?
そうですね,大学に入るときから数学者になりたいと思っていました。
Q. 何故数学者に?
数学をやりたいからです。他に答えようがないですね。
Q. 先程から数学が好きということですが具体的には?
何というか切れ味の鋭さというか美しさというか,そういうところに魅せられました。
Q. 大学院でどんなことを勉強できて良かったと思いますか?
大学院生の頃というのは自分が専門にしようとしている事だけでなくて色々な講演などに出席してわからないながらも少しはわかるわけですよね。いっぱい耳学問をしたのは良かったと思ってます。
Q. 大学院進学を考えている学部生にメッセージを。
私たちが学生だった頃もそうだったとは思うのですが,近年どんどん数学のカリキュラムが,学部で教えていた事が大学院にずれていったりとかしますよね。学部で数学科に入ってる人たちはどこで数学をやろうと思ったのか色々だと思いますがその割には学部の間にそれほど満足できるくらいやらないと思うんですよね。僕の感覚でいったら学部で卒業するだけでは,数学科にいても満足するだけ勉強したかなという感じだったので。ですからより数学を勉強したいという思いを満たすためには大学院に行った方がいいのではと思います。
2005年(平成17年) 5月インタビュー実施