大内元気 准教授

OUCHI Genki

代数系

所属
大学院理学研究院
研究分野
代数幾何学
キーワード
連接層の導来圏,モジュライ空間,K3曲面,正則シンプレクティック多様体,Fano多様体

研究内容

現代の幾何学では、高次元の図形、空間も扱います。それらを物理的に作ったり直接的に描くことは難しいですが、数学の言葉を用いて記述し、それらについて考えることはできます。いくつかの多項式の共通零点集合として記述できる空間を代数多様体といいます。代数幾何学とは、代数多様体について考える学問です。代数多様体といっても色々な種類のものがあります。私が気に入っているのは、K3曲面、正則シンプレクティック多様体、K3型のFano多様体などの広い意味でのCalabi-Yau多様体です。例えば、これらは豊富な対称性をもっており、マシュー群やコンウェイ群などの散在型有限単純群、力学系とサーレム数、幾何学的群論など様々な切り口で研究されてきました。手法としては、連接層の導来圏に興味をもっています。代数多様体に対して、連接層の導来圏と呼ばれる圏が定まります。連接層の導来圏を用いることで、代数多様体に潜むさまざまな対称性や双対性を記述することができます。実際、フーリエ・向井変換を用いることで、異なる代数多様体の間の関係を記述したり、1つの代数多様体がもつ対称性を深掘りすることができます。また、超弦理論に起源をもつミラー対称性という代数幾何学とシンプレクティック幾何学の双対性がありますが、これも導来圏の言葉で捉えることができると考えられています。1つの数学的な構造にもいろいろなものが宿っているということを感じ取れるようになりたいと思います。

主要論文

  • G. Ouchi, Automorphisms of positive entropy on some hyperKähler manifolds via derived automorphisms of K3 surfaces, Adv. Math. Volume 335 (2018), 1–26.
  • G. Ouchi, Automorphism groups of cubic fourfolds and K3 categories, Algebraic Geometry 8 (2)(2021), 171–195.
  • Y. Hirano and G. Ouchi, Derived factorization categories of non-them–Sebastiani-type sum of potentials, Proc. Long. Math. Soc. 126(1), (2023), 1–75.

研究者総覧

リンク

個人のWebPage

 

連絡先

genki.ouchi(at)math.sci.hokudai.ac.jp