行木孝夫 教授
研究内容
複雑系
複雑系と総称される分野を研究している。
典型的な複雑系の一つであるセルオートマトンは、例えば{0,1}ℤ上のxi−1+xi+1 mod 2などの単純な規則から多様な挙動を示す力学系として様々な視点から研究されてきたが、特に熱統計力学的な扱いを中心に研究している。ランダムな初期状態から時間発展を繰り返すと一般に空間的なエントロピーは減少する。減少率を評価することで系の性質を捉えることを目標としている。現在、粒子的な挙動を示す保存系に集中して研究を進めている。さらに、近年発展の著しい量子計算と関連した話題として量子酔歩を研究している。通常の酔歩とは全く様相を異にする極限分布を持つなど、極めて興味深い対象である。また、カオス時系列解析の対象として脳疾患の脳波データ解析を進めている。発作時と非発作時の脳波データをそれぞれ特徴づけ、治療に貢献できるまで発展させたい。
複雑系関係の論文など
- Finding mathematical structures in the brain dynamics: theory and application,
Takao Namiki and Ichiro Tsuda,
The Journal of Physiological Sciences, Proceedings of the 94th Annual Meeting, March 28-30, 2017, Hamamatsu, Japan, 1PS02A2-4, 2017年3月 - Zeta function of a class of subshifts of Dyck shift,
Takao Namiki and Ken Saito,
Proceedings of the 4th International Workshop on Applications and Fundamentals of Cellular Automata, 262-265, 2016年11月 - Takao Namiki, “Entropy of two dimensional permutative cellular automata”, Proceedings of 2013 First International Symposium on Computing and Networking, pp. 510-514 (December 7-9, 2013, Ehime, Japan)
- Norio Konno, Takao Namiki, Takahiro Soshi and Aidan Sudbury, “Absorption problems for quantum walks in one dimension”, Journal of Physics A: Mathematics and General Vol. 36 (10 January 2003) ,pp. 241-253
Digital Library
Digital Mathematics Libraryの日本パートDML-JPを構築している。大規模情報システムの一環として、分散してデジタルリポジトリに搭載された数学系ジャーナルをOAI-PMH経由で統合し、さらに数学として必要な情報を付与する。情報学的研究の対象である。
Digital Library関連の論文など
- Takao Namiki, Hiraku Kuroda and Shunsuke Naruse, “Experimental DML over digital repositories in Japan”, In Proceedings of Towards Digital Mathematics Library 2009 pp. 71-81 (7 – 9 Jul 2009, Ontario, Canada)
研究者総覧
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