久保英夫 教授

KUBO Hideo

解析系

所属
大学院理学研究院
研究分野
偏微分方程式論
キーワード
散乱理論, 漸近解析, 非線型波動方程式

研究内容

波動方程式は波の伝播の様子を記述するために考案された数学モデルで、とても単純な形をしており、代表的な偏微分方程式の一つです。しかし、その形の単純さに較べ、そこに内包されている数学的構造はとても豊かであり、私は大学院生時代から飽きることなく波動方程式に対する摂動問題の解析に取り組んできました。具体的には、非線型性による摂動、領域の摂動、あるいは、空間の計量の摂動などが非摂動系に与える影響を考察しています。その際、重要になるのは、非摂動系の解の主要部と摂動を受けた解の主要部とを比較することです。例えば、時間無限大での解の挙動を比較する理論は散乱理論と呼ばれ、波動方程式の研究において大きな位置を占める分野です。この研究では関数解析の枠組みや実解析の手法なども用いられますが、本質的なのは、解の主要部を如何に導くかであり、最終的には微積分のタフな計算に帰着されます。特に興味深いのは、そうして得られた解の主要部同士を比較したとき、両者の関係がちょうど拮抗するような場合です。この状況を突き詰めて考察することにより、非摂動系や摂動の本質が見えてきます。また、最近は、波動方程式に帰着されるような数理物理学に現れる方程式系や微分方程式の非可換な構造にも関心を持っています。

主要論文

  • Hideo Kubo, Kôji Kubota, and Hideaki Sunagawa,
    Large time behavior of solutions to semilinear systems of wave equations, Math. Ann., 335 (2006), 435-478.
  • Hideo Kubo,
    Asymptotic behavior of solutions to semilinear wave equations with dissipative structure, Discrete and Continuous Dynamical Systems, Supplement 2007, 602-613.
  • Soichiro Katayama and Hideo Kubo,
    An elementary proof of global existence for nonlinear wave equations in an exterior
    domain, J. Math. Soc. Japan. 60 (2008), 1135-1170.

研究者総覧

https://researchers.general.hokudai.ac.jp/profile/ja.22d9f5debb90f771520e17560c007669.html

個人のWebPage

http://www.math.sci.hokudai.ac.jp/~kubo/

連絡先

kubo(at)math.sci.hokudai.ac.jp

学生へのひとこと

数学的感覚―数覚―を培うことは厳しい道程ですが、千里の道も一歩から。へこたれず、努力を惜しまない人をサポートします。