粕谷直彦 准教授
研究概要
研究内容
私は主に複素曲面とその境界に現れる接触構造について研究しています。 典型的な例はシュタイン曲面とその強擬凸境界です。その中でも特に、カスプ特異点と呼ばれる複素超曲面特異点のミルナーファイバーおよび特異点リンクに興味があり、微分位相幾何学や接触幾何学・シンプレクティック幾何学の知識を用いて研究しています。また、ケーラーでない複素曲面や強擬凹境界を持った複素曲面にも興味があり、4次元ユークリッド空間上にそのどちらの性質をも満たす複素構造が存在することを4次元トポロジーの知識の応用によって示しました。このように、微分位相幾何学を土台としつつ、複素幾何、多変数複素解析、特異点論などと交叉する内容を研究することに面白さを感じています。
主要論文/著書
- N. Kasuya,
The canonical contact structure on the link of a cusp singularity,
Tokyo Journal of Mathematics, Vol.37, No.1 (2014), 1-20. - N. Kasuya,
An obstruction for codimension two contact embeddings in the odd dimensional Euclidean spaces,
Journal of the Mathematical Society of Japan, Vol.68, No.2 (2016), 737-743. - A. J. Di Scala, N. Kasuya and D. Zuddas,
Non-Kahler complex structures on $\mathbb{R}^4$,
Geometry & Topology, Vol.21, Issue 4 (2017), 2461-2473. - N. Kasuya and M. Takase,
Knots and links of complex tangents,
Transactions of the American Mathematical Society 370 (2018), 2023-2038. - A. J. Di Scala, N. Kasuya and D. Zuddas,
Non-Kahler complex structures on $\mathbb{R}^4$,II
Journal of Symplectic Geometry, Vol.16, No.3 (2018), 631-644.
研究者総覧
https://researchers.general.hokudai.ac.jp/profile/ja.813fed519570bf37520e17560c007669.html
連絡先
nkasuya(at)math.sci.hokudai.ac.jp
学生へのひとこと
初めて聞いたときは分からなくても、二度、三度と聞くと分かることがあります。一度考えて分からなかったことが、時間をおいてもう一度考えると分かる、ということもあります。時間をかけて習得したことは自分の中に定着していきます。そのことを意識して、数学を勉強(あるいは研究)していくといいと思います。