教育ポリシー
数学科の教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)
数学科では、学位授与水準に定めた能力を持つ人材を育成するために、以下のようなカリキュラムを編成し実行します。
- 1年次
総合教育部において、本学が定める全学教育のカリキュラム・ポリシーのもとで、「全学教育科目」の履修を要請します。 - 2~4年次
現代数学を学ぶ上で必要性の高い内容を扱う基礎的な講義科目および演習科目を「選択必修科目B」として設定します。比較的専門性の高い科目は、「選択科目」として配置します。主な履修対象学年を示し、順に履修していけるような体系的科目編成にします。これらの講義科目と演習科目を通して、学生は現代数学の基礎概念を学び、定理や公式を適用する能力を養います。学生が自身でテーマを選び、学習した内容を発表する講読科目は選択科目に属し、2、3年次学生を対象に開講されます。この科目を通して、学生は数学的な考察力、自ら学ぶ積極性、コミュニケーション能力、等を養います。科学の一般基礎教養に関しては、「選択必修科目A」として理学の諸分野にわたる科目を開講します。多様な知識の重要性を理解し、幅広い知識を身に付けるために、複数分野にわたり履修し単位を取得することを要請します。 - 4年次
4年次学生を対象として、卒業研究(通年)を必修科目として設定します。卒業研究を通して、学位授与水準に定めた能力の向上を図ります。
学習成果の評価の方針
Ⅰ 成績評価の基準
- 成績評価にあたっては、本学部の学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)に掲げる本学科の「養成する人材像に求められる具体的な能力(学位授与水準)」を踏まえ、授業科目ごとに「到達目標」を設定し、履修者の「学修成果の質」(到達目標の達成度)に応じて11 段階または6段階「A+」、「A 」、「B 」、「C 」、「D 」、「F」を基本として行います。
- 数学科が開講する相対評価的な要素が必要な科目は目安となる成績分布を示し適切 に評価することとし、 11 段階であれば、合格者の成績分布が「A+」と「A」を合わせ て 25%程度、「A-」と「B+」を合わせて 25%程度、「B」と「B-」を合わせて 30% 程度、「C+」と「C」を合わせて 20%程度となるように、 6 段階であれば「A+」と「A」 を合わせて 35%程度、「B」が 45%程度、「C」が20%程度となるように評価します。 ただし、「A+」は履修者全体の5%以内とします。絶対評価的な要素が必要な科目は、 具体的な「到達目標」を定め、達成度に応じて評価することとし、成績分布の目安は示 さないこととします。
- 数学科では、授業科目ごと(副題のついた科目を除く)に適切な「到達目標」を設定し、当該「到達目標」に基づく成績評価の結果検証を行い、必要に応じて「到達目標」の再検討を行います。
- 副題のついた科目は、授業担当教員が「到達目標」を設定し、学科において当該「到 達目標」に基づく成績評価の結果検証を行います。
Ⅱ 成績評価の方法
- 成績評価は、試験結果、レポート評価、成果発表、学修態度等により行います。
- 具体的な評価方法は、授業担当教員が定めます。
北海道大学理学部数学科
数学科の学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)
数学は人類が長い年月をかけて築き上げた学問であり、真理の探究を通して 文化を豊かなものとし、文明の進歩を支えてきました。高度に進化し、範囲を広 げながら発展する現代数学は、その普遍性から諸科学の礎としての役割も果たしています。 数学科では、世界共通の理論体系を備えた現代数学の基礎を学び、培った数学的能力や科学的素養などをもとに、社会のさまざまな分野において活躍できる人材を養成することを目標とします。下記の能力を有すると認めた学生に対し、学士の学位を授与します。
知識・理解
- 現代数学の基礎理論における数学的概念を正しく理解している。
- 修得した理論や知識を正しく運用し、問題解決等に役立てることができる。
論理的思考力
- 数学の学修等を通して、論理的に分析や考察を行うことができる。
- 抽象的な概念を具体化して適切に扱うことができる。
汎用的技能
- 必要に応じて計算機を活用し、学習等に役立てることができる。
- 身につけた知識や概念を工夫して他者に正しく伝えることができる。
態度・志向性
- 多様な知識に対する価値を理解し、尊重できる。
- 向上心を持って積極的に学ぶ姿勢を有し、主体的な学習ができる。
本学科においては、難しい概念の理解を伴う数学科目、数学が関係している事象を含む科目等を意欲的に履修することを推奨し、学生が積極的に学ぶ姿勢を適切に評価しうるような卒業認定基準を設けます。
北海道大学理学部数学科