数学部門
数学はよく、諸科学の基礎を支える学問であるといわれます。数学の伝統的かつ基礎的な面に触れる機会が多いせいか、数学は過去の学問であるかのような印象をうける方も多いのではないでしょうか。確かに数学には長い歴史があります。と同時に、現在も大きく進歩発展している学問です。世界各国で学術誌が年々創刊あるいは刷新され、各地で内外の研究者を集めた会合が頻繁に開かれています。
諸科学の進展により新しい数学が待望されています。逆に、数学の進展と共に新たな視点を諸科学に与えることもあります。注目している対象を、数学的表現で定式化しそれを解明してゆくことで、多くの新しい数学の分野が生まれてきました。それは、例えば現代物理学の発展と、関数解析学、微分幾何学、微分方程式、トポロジー、代数幾何学、代数解析学、確率論、力学系等,におけるいくつもの分野の成長との関係に見られます。そしてこのようにして生まれた分野は、たいてい荒削りなので、体系を数学的に整理し、理論の本質を探究することにより、数学そのものが進展してきたといえると思います。
数学部門では、整数論に代表されるような理論の深化を追及する立場の研究から、コンピュータによる数値計算を主体とする実験数学的立場の研究まで、多様な立場から幅広い分野の研究が行われています。
研究者一覧
数学分野
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秋田 利之教授AKITA Toshiyukiトポロジーを通して群を調べる研究テーマ
代数トポロジー、とくに群のコホモロジー。トポロジーと代数の両方にまたがる分野で、両方向からのアプローチが可能なのが醍醐味です。
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朝倉 政典教授ASAKURA Masanori代数多様体の数論的な性質を研究する研究テーマ代数多様体の周期とレギュレーターの研究
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古畑 仁教授FURUHATA Hitoshi形の探求 部分多様体の微分幾何学研究テーマ
統計多様体の微分幾何学的研究とベクトル空間内の曲線と曲面の幾何学
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本多 尚文教授HONDA Naofumi代数解析学研究テーマ
代数解析学
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洞 彰人教授HORA Akihitoいつも心に数学を。研究テーマ確率論と表現論の融合的な研究
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井ノ口 順一教授INOGUCHI Jun-ichi形のひ・み・つ研究テーマ
微分方程式の幾何学、サーストン幾何、幾何学的形状生成
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小林 真平教授KOBAYASHI Shimpei隠れた対称性を用いた形の研究研究テーマ
可積分系を用いた微分幾何学の研究
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久保 英夫教授KUBO Hideo自然現象の背後にある数理構造を解析する研究テーマ
自然現象を記述する数理モデルとして得られる微分方程式などの分析を通して普遍的な数理構造を解析し,その理学的理解を深める。
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眞崎 聡教授MASAKI Satoshi非線形の波動現象を数学を通して理解する研究テーマ
変分的手法と調和解析的手法を組み合わせた非線形分散型方程式の解の時間大域挙動の研究
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松本 圭司教授MATSUMOTO Keiji特殊関数がみたす公式の発見研究テーマ
積分で定まる特殊関数のねじれ(コ)ホモロジー群を用いた研究
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宮尾 忠宏教授MIYAO Tadahiro電子の不思議を数学で捉えよう研究テーマ
多体電子系の作用素論及び作用素環を用いた解析
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行木 孝夫教授NAMIKI Takao多様な挙動を示す複雑系を力学系の視点から解明する。研究テーマ
セルオートマトンの相転移現象・脳波のカオス時系列解析・たんぱく質から構成する複雑ネットワーク・量子ウォークの古典近似・数学に関わるデジタルリポジトリおよびeLearningシステムの研究
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沼田 泰英教授NUMATA Yasuhide現象をコントロールする組合せ論的構造を理解する研究テーマ
表現論や環論と呼ばれる分野に現れるような組合せ論的対象にら対する、数え上げ組合せ論の視点からの研究
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坂井 哲教授SAKAI Akira相互作用する多体系の謎に挑戦研究テーマ
レース展開などを用いた相転移・臨界現象の厳密な解析;イジング模型に基づく最適化問題の解の評価
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安田 正大教授YASUDA Seidai数論的現象の背後にある幾何学を発見しよう研究テーマ
ガロア表現、分岐、L関数などの数論的現象の理論的、幾何的な解明
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蔡 園青准教授CAI Yuanqing周期関数を分類する研究テーマ
簡約群およびその被覆群の保型表現論
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浜向 直准教授HAMAMUKI Nao形の動きと非線形偏微分方程式研究テーマ
界面発展方程式の粘性解理論に基づく研究
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長谷部 高広准教授HASEBE Takahiro非可換な変数に対する確率論を作る研究テーマ
非可換確率論
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粕谷 直彦准教授KASUYA Naohiko実と複素の交叉する幾何をトポロジーで解き明かす研究テーマ
接触構造・複素構造の微分位相幾何学的観点からの研究
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川﨑 盛通准教授KAWASAKI Morimichi変換群から空間を研究する。研究テーマ
ハミルトン微分同相群の群論的・幾何的性質からのシンプレクティック多様体上の(ハミルトン)力学系の研究
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小林 政晴准教授KOBAYASHI Masaharu関数空間論を用いて様々な作用素を研究する研究テーマ
関数空間論および関数空間論を用いた偏微分方程式の研究
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黒田 紘敏准教授KURODA Hirotoshi偏微分方程式への変分論的アプローチ研究テーマ
凸解析を利用した全変動流方程式の解の挙動解析
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松下 大介准教授MATSUSHITA Daisuke多項式で定義された高次元の図形を観る研究テーマ
小平次元が零の高次元代数多様体の構造
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中野 雄史准教授NAKANO Yushiカオスの縁の謎に迫る研究テーマ
非双曲力学系のエルゴード理論の研究
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トラビス スクリムシャー准教授Travis SCRIMSHAW優れた数学をくだらない図式に変える研究テーマ
表現論の組合せ論的記述とシューベルト計算
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澁川 陽一准教授SHIBUKAWA Youichi量子ダイナミカル・ヤン・バクスター方程式とは何か?研究テーマ
量子ヤン・バクスター方程式の一般化である量子ダイナミカル・ヤン・バクスター方程式に関する研究.特に,1.解を構成すること.2.得られた解からホップ亜代数を構成し,その性質を明らかにすること.
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鈴木 悠平准教授SUZUKI Yuhei
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田﨑 創平准教授TASAKI Soheiマルチレベルな数理科学研究テーマ
多階層の数理解析手法の開発と細胞社会の自己組織化への展開
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梅田 陽子准教授UMETA Yoko完全WKB解析研究テーマ
高階パンルヴェ方程式の解のStokes現象の解析
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神田 雄高助教KANDA Yutaka
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岩崎 克則特任教授IWASAKI Katsunori微分方程式を幾何学的な視点で眺める研究テーマ
複素幾何学や複素力学系の理論を用いたパンルヴェ方程式の力学系の研究や、複素解析や漸近解析を用いた超幾何関数の研究を行っている
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齋藤 睦特任教授SAITO Mutsumi超幾何微分方程式系の代数的性質を組合せ的に記述研究テーマ
超幾何微分方程式系の代数的性質を組合せ的な言葉で記述する