生き物紹介
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ゼブラフィッシュ体長4~5cmの熱帯魚で、美しい縞模様を持ちます。丈夫で飼育しやすく、一度に多くの卵を産みます。胚は透明で、ほぼすべての器官を約一日で形成します。外来遺伝子の挿入などによる遺伝学的解析と、胚内のイメージングなど発生生物学...
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イトミミズ学名をTubifex tubifexといいます。ラテン語で「管(tuba)をつくる(facio)もの」という意味です。糸のように細長くきゃしゃな体ですが、世界中どこにでも棲息しているコスモポリタン(cosmopolita...
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オオヨモギハムシ種群、キクビアオハムシオオヨモギハムシ種群は北日本に広く分布する飛べない(後翅の退化した)ハムシで、異所的・側所的に分布する(住む場所が重ならない)10を越える近縁な品種・種の集合帯です。キクビアオハムシは同一種内に異なった食草を利用する集団...
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ハシブトガラス英語ではjungle crowと呼ばれ、獣の死肉をあさって狩人(オオカミ)の後を追う、複雑な社会を形成します。現在は人がオオカミの代わりとなって、カラスたちは都市に住み着きました。「羽毛を持つ霊長類」と呼ばれる高度な知性...
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耐冷性細菌(耐冷菌、低温菌)好冷菌と同様に0℃でも生育可能ですが20℃以上でも生育できる細菌を耐冷性細菌(耐冷菌、低温菌)と呼びます。好冷菌は恒常的に低温が保たれている環境(極域や深海など)でなければ生存できませんが、耐冷菌は常温域でも生育できるた...
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Intertidal rock, Akkeshi 厚岸湾潮間帯の岩北海道厚岸湾潮間帯低部の岩の裏側。ほぼ全面を唇口目コケムシ類の群体が覆いつくしている。(マシュー・ヒル・ディック)...
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カイコ人が飼育し続けてきたため野外では繁殖できなくなり、完全に家畜化された昆虫です。幼虫の絹糸腺には大量のタンパク質を合成する能力があり、この能力の活用が考えられています。成虫はカイコガと言われますが、チョウとガには本質的な違...
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アカガエル一年中卵を産ませることができるアフリカツメガエルとは対照的に、アカガエルの生殖時期は春先で年に一度だけです。いつでも実験に使えるという利点はありませんが、アフリカツメガエルに比べると卵ごとの反応に差が少ないので、きれいな...
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カシワ葉がカシワ餅に使われることはご存知のことでしょう。なぜ使われるかと言えば、一つには、タンニンが多く含まれ、防腐・防カビ効果があるからです。そうした防御機構にも関わらず、多くの昆虫がカシワの葉を食べています。彼らの解毒機構...
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不等毛藻類陸上の植物が緑色なのに対して、海洋の植物(光合成生物)の主役は葉緑体を二次共生によって獲得した黄色植物(不等毛藻類)です。不等毛藻類には褐藻類・珪藻類・黄金色藻類などが含まれ、生物進化・環境問題を考える上で避けることがで...
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Monoporella elongataアラスカ州アリューシャン列島から新種記載されたMonoporella elongataは日本にも分布する。(マシュー・ヒル・ディック)...
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ハツカネズミ家ネズミの1種です。日本には有史以前に人間とともに渡来したと考えられています。遺伝子の変異を調べると、本州では韓国型ですが、北海道道央以北では東南アジア型です。ハツカネズミが日本人の祖先がどこから来たのかを教えてくれるか...
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クワヒョウタンゾウムシ、センチコガネ、イワハマムシ、ヒラタシデムシ私たちの研究室で地理変異を解析した甲虫たちです。クワヒョウタンゾウムシには、雌のみで世代を繰り返す個体と両性生殖の個体が含まれ、センチコガネには飛ぶ個体と飛べない個体が存在します。イワハマムシは海岸の岩の隙間にだけ生息す...
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トゲオオハリアリ沖縄に生息する1cmくらいのやや大型のアリです。形態的に区別できる女王をもちませんが、全個体が翅の痕跡器官を備えていて、これを他個体に噛みとられない個体だけが女王になれる、というユニークな生態を示します。また、メスは黒色...
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ソラマメヒゲナガアブラムシマメの芽に寄生するアブラムシです。夏の間は胎生単為生殖を行うメスが自らのクローンを産みますが、秋から冬にかけてはオスが出現し、卵生有性生殖を行います。また胎生単為生殖世代では、密度などの環境要因によって翅を持つ有翅型と翅...
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Coralline red algae and rhodolith bedsRhodoliths and branching coralline algae from the eastern Pacific coast of Panama (Urraca cruise 2004) Rhodoli...
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アフリカツメガエル南アフリカ原産の水の中だけで生活するカエルです。オタマジャクシの時には、手足や尾だけではなく脳までも再生することができるのですが、カエルになるとほとんど再生できなくなります。個体発生は進化を再現しているのでしょうか。...
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メタリフェルホソアカクワガタインドネシア原産のクワガタです。クワガタの中でも特に長い大顎を持つ種類で、大きい個体では体長の半分以上を大顎が占めます。体の大きさと大顎の長さは、幼虫期のエサの量によって決まります。...
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エゾサンショウウオ北海道の森林の池、沼、湖などに広く生息します。ZW型の性染色体をもち、遺伝的に性が決まりますが、幼生期に高温で飼育すると性転換を起こす温度依存型の性決定様式を併せ持つ不思議な動物です。...
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ツメガエル、ツチガエルツメガエル(写真上)は、南アフリカ原産の水中で生活するカエルで、変4倍体のアフリカツメガエルと2倍体のニシツメガエルがよく用いられます。ツチガエル(写真下)は、同種の中にXY型とZW型の性染色体が混在する不思議な動物とし...
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ヒラタシデムシ私たちの研究室で地理変異を解析した甲虫たちです。クワヒョウタンゾウムシには、雌のみで世代を繰り返す個体と両性生殖の個体が含まれ、センチコガネには飛ぶ個体と飛べない個体が存在します。イワハマムシは海岸の岩の隙間にだけ生息す...
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シオミドロ褐藻シオミドロ(Ectocarpus siliculosus)は全ゲノム情報が明らかになりつつある初めての多細胞藻類です。岩場や他の藻類に付着して生育している1cm程度の小さなもので、雌雄配偶体と胞子体からなる世代交代を...
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Microporella SEM, Kokepara北海道黒松内産更新世Microporella属ウスコケムシ類化石の1種の個虫の様子を撮影した走査型電子顕微鏡写真。約110万年前のもの。(マシュー・ヒル・ディック)...
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ハブ日本の南西諸島に生息する毒ヘビです。ハブがもつ毒遺伝子の機能を有効利用するための毒ゲノム研究”Venomics ”という新しい研究分野が生まれています。ハブのゲノム研究は、毒遺伝子の研究だけでなく、爬虫類の生物学的特性や...
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寄生蜂ショウジョウバエの幼虫・蛹に寄生するハチがいるが、その分類、生態、生理はまだまだ分かっていない。...
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Cauloramphus species.米国アラスカ州アリューシャン列島で最近発見されたCauloramphus属トゲイタコケムシ類4未記載種の個虫の走査型電子顕微鏡写真。これらの種は無嚢類段階の形態(左上)から、非融合型腹壁を持つタイプ(右上)、融合型腹壁を...
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ウイルス私たちは、植物に感染する病原性ウイルスも扱っています。ウイルスというと怖いように思えますが、扱う方法さえ間違えなければ、全く問題ありません。このウイルス(ClYVV: Clover yellow vein virus)は...
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ミステリークレイフィッシュこれも10年くらい前にドイツで発見されたザリガニですが、オスが発見されていません。しかし、メスだけでも卵をどんどん生み、その卵は単為発生してまたメスのザリガニになるので、世界中でどんどん殖えています。...
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アメリカザリガニ在来種ではなく、名前通りアメリカからの移入種です。本州の青森県以南に生息しています。視覚感覚情報処理におけるlabeled line theoryや行動発現におけるcommand neuron hypothesisなど、...
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ミジンコミジンコは湖沼生態系で重要な役割を示す動物プランクトンですが、環境に対しても非常に感受性が高く、様々な研究の対象となっています。例えば、捕食者が存在すると角(つの)を生やすことが知られています。また、普段はメスだけで殖え...
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ヤマトヒメミミズ10年ほど前に福島県の畑で見つかった小さなミミズ(ヒメミミズ)です。普段は、2週間に1度10くらいの断片に自切して、それぞれの断片が1匹のミミズに再生して殖える無性生殖をしますが、仲間が少なくなると卵と精子を作り有性生殖...
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Gastropoda (Mollusca)Mollusks are among the most diverse groups on earth. Present in all aquatic environments and with an excellent...
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ハムスターマウスやラットに比べ、これまで実験動物としてはあまり利用されていませんでしたが、近年、様々な生物学的特性が明らかになり、重要な実験モデルとなりつつあります。シリアン、チャイニーズ、ジャンガリアン、キャンベルハムスターなど...
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ウチダザリガニこれもアメリカからの移入種です。当初は北海道の摩周湖にのみ生息していましたが、今では、釧路湿原や阿寒湖にも広がっています。実験用には阿寒湖漁協から購入しています。北海道地方環境事務所による特定外来生物飼養等許可を受けて実...
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コケムシコケムシは水の中で石や植物、あるいは他の動物のからだの上に「群体」を作って暮らしている一般にはなじみの薄い無脊椎動物で、苔虫動物門に属します。「群体」とは個体がたくさん集まって互いにつながって生きている状態を指し、他には...
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センチコガネ私たちの研究室で地理変異を解析した甲虫たちです。クワヒョウタンゾウムシには、雌のみで世代を繰り返す個体と両性生殖の個体が含まれ、センチコガネには飛ぶ個体と飛べない個体が存在します。イワハマムシは海岸の岩の隙間にだけ生息す...
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鉱物油分解菌原油には多くの種類の炭化水素が含まれています。原油によって汚染された環境を浄化するために鉱物油分解菌を使います。炭化水素を効率的に分解する分解菌が求められています。...
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無脊椎動物節足動物のウミグモやミズムシやヨコエビ、紐形動物のヒモムシ、刺胞動物のヒドロ虫、そして環形動物のゴカイやミミズなど、一般にはなじみの薄い無脊椎動物たちばかりをこれまで研究材料に、たくさんの大学院生たちと分類学的研究を続け...
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アカネズミ北海道から薩南諸島(屋久島、種子島など)まで列島に広く分布しています。染色体(本州中央部に境界線)、形態、遺伝子に明瞭な地理的変異があることが知られており、遺伝子の進化的動態や日本列島の地史を知るうえで重要なヒントを与え...
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スッポン食用として有名なカメですが、養殖が行われていることから、胚を用いた様々な発生学的実験が可能な爬虫類のモデル生物です。近年、スッポンの性染色体も見つかり、爬虫類の性染色体の進化や性決定機構の研究にも有用です。...
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鳥類現存する鳥類の種数はおおよそ9000種といわれ、23から30目に分けられる。鳥類にはこれらの目を超えた保存性の高い共通の核型がある一方、非常に変化した核型を持つグループもあり、核型進化を研究する上で興味のつきない動物群で...
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オオシロアリ鹿児島県以南に生息する、日本最大級のシロアリです。シロアリは、一組の王と女王から生まれた子虫が、職蟻、兵隊、有翅虫などの表現型に分化、分業することにより、コロニーを円滑に運営しています。オオシロアリは体サイズが大きく、幼...
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クロテンイタチ類とも近縁な仲間で、ロシア、韓国、北海道などに分布します。夏に黒い毛色は冬に淡色系に変化しますが、北海道の個体は大陸に比べると、白さがめだつことが知られています。なぜ北海道ではクロテンの冬毛は白いのでしょうか。謎の...
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Flustra foliaceaFlustra foliacea (Linnaeus, 1758) (Bryozoa: Flustridae) Flustra foliacea forms stiff, flexible bushy clumps 6-...
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オマールエビ(アメリカウミザリガニ)大西洋及び地中海に生息し、ウミザリガニとも呼ばれています。西洋料理の食材として日本に輸入されており、生きたものを鮮魚商から入手可能です。淡水産のザリガニと較べて非常に大きく、行動上も反応性が非常に高いので、実験動物として...
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Cretaceous bryozoan, Goshoura御所浦島で採集された唇口目コケムシ類化石の実体顕微鏡写真。約1億年前のもの。(マシュー・ヒル・ディック)...
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Lophophores (触手冠)ヒラハコケムシMembraniporaの群体の一部を拡大した実体顕微鏡写真。コケムシは環状に生えた触手冠を使って摂餌する。(マシュー・ヒル・ディック)...
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ニホンヤマネ小型のゲッ歯類です。冬眠鼠ともよばれ、天然記念物にもなっています。日本の固有種のなかでも最も古参と目されています。最近の遺伝子の変異の解析から列島には遺伝的に大きく異なる8つの集団が生息していることが分かっています。(鈴...
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イワハマムシ私たちの研究室で地理変異を解析した甲虫たちです。クワヒョウタンゾウムシには、雌のみで世代を繰り返す個体と両性生殖の個体が含まれ、センチコガネには飛ぶ個体と飛べない個体が存在します。イワハマムシは海岸の岩の隙間にだけ生息す...
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クマネズミ列島のあちらこちらに移入しては野生生物の生態にダメージを与えたり、危険な病原菌などを伝搬することが心配されています。最近、小笠原や小樽でヨーロッパ型の系統が移入していることが判明しました。しっかりとした監視体制をつくるこ...
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細胞性粘菌土の中に住む小さな生物です。不思議なことにその一生の中にはアメーバのように単細胞で生きる時期と、我々のような多細胞の体を持つ時期があります。とても単純な造りの体を持っていますが、その体づくりの過程ではより複雑な高等生物に...
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ギンブナ日本各地に普通に見られるフナで、三倍体の個体が存在します。三倍体は全て雌で、卵は受精して発生しますが、精子由来の遺伝子は排除されるため、生まれる子は母親と全く同じ遺伝子をもつクローンになります。この特殊な生殖は「雌性発生...
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Cauloramphus niger北海道厚岸湾潮間帯で発見され、A. Grischenko, MH Dick & SF Mawatariによって新種記載された。写真はA. Grischenko博士が撮影した生時の様子で、個々の個虫が、環状に配列し...
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センチュウ最近私たちの研究室で使い始めた生物です。センチュウは、全長1mm程度のミミズのような生き物で、色々な種類があります。私たちは、植物に寄生するネコブセンチュウというものを扱っています。このセンチュウは植物に寄生して、被害を...