ジュウシマツ (Bengalese finch var.)
ジュウシマツは、“chunk”とよばれる2~4個の異なる音素が一つの固まりをつくり、その固まりの間には繰り返し出現する“接続音素”が存在しています。符号化すると[(ABC)ddd(ABC)eee(FGH)(FGH)dddd(ABC)eeee…]のように表されます。脳のなかにはキンカチョウと同じように、さえずりを学習・生成する神経回路をもっているのに、そのさえずりパターンは大きくことなっています。このように様々な種のソングバードを使うことで、種特異的な行動がなぜ生まれるのか研究することができると考えています。(和多和宏)
スズメ目カエデチョウ科の歌鳥ですが、家禽種で、コシジロキンパラというアジア由来の野生種が祖先種と考えられています。交配によって様々な羽装を作出するのを楽しむ飼鳥愛好家が多く、羽の色形は非常に多様です。さらに祖先種との間には、性的体サイズ二型(雌雄の体サイズの差)や歌行動の面でも違いが見らます。ダーウィンが人為淘汰過程と重ね合わせ自然淘汰を考察したことは有名ですが、このジュウシマツにかかった人為淘汰も、そのような進化を考える上でのヒントとなるかもしれません。(相馬雅代)