研究トピックス
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2024.06.21最近の論文から異種間交配によって学習能力が拡張することを発見~神経行動学版「トンビが鷹を生む」:子のほうが親よりも学習能力が高い(理学研究院 教授 和多和宏)ポイント ●鳴禽類スズメ目の歌鳥は、他種の歌よりも自種の歌を学びやすい傾向を持つ。 ●歌鳥2種を交配したハイブリッド個体は、親種ではできない、親種両方の歌を学ぶ能力を持つ。 ●ハイブリッド個体の脳内では、両親種とは異なる...
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2024.05.31最近の論文からコアラのユーカリの好みは腸内細菌と関係している~母親を介して受け継がれた腸内細菌が生み出すコアラの好き嫌い~ポイント ・日本の動物園で飼育されているコアラにおいて、遺伝とユーカリの好みと腸内細菌を調査。 ・コアラは複数種あるユーカリを選んで食べており、遺伝的背景や腸内細菌と強く関係。 ・腸内細菌を調べて適切なユーカリを選ぶこと...
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2024.04.24最近の論文から遺伝子発現における翻訳制御の重要性を解明遺伝子発現における翻訳制御の重要性を解明 ~日周的な遺伝子発現を司る新たなメカニズムを提案~ ポイント ・明暗条件下におけるmRNA量・翻訳量の時系列データの取得に成功。 ・日周変動パターンを示す遺伝子の7割が翻訳制御...
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2024.04.24最近の論文からダイズ根圏細菌のイソフラボン代謝遺伝子クラスターを発見ダイズ根圏細菌のイソフラボン代謝遺伝子クラスターを発見 ―根圏形成メカニズムの理解や有用物質生産に貢献― 概要 イソフラボン類は、豆腐や味噌などのダイズ食品に含まれており、私たちが日常的に摂取する植物特化代謝産物です。...
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2024.03.07最近の論文からピラニアが示した進化のシナリオ ―古典的形質を維持していた生物から得られたGnRHパラログ進化の仮説―【概要】 北海道大学理学部の藤森千加助教(前東京大学所属)は、東京大学大気海洋研究所海洋生命科学部門の神田真司准教授グループとの共同研究により、GnRH神経系(注1)において発現し、排卵制御の鍵となるGnRHパラログ(注...
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2024.02.14最近の論文からSET1ドメインタンパク質SUVH2によるトランスポゾンの制御機構を解明形態機能学系の伊藤秀臣先生の研究グループは、シロイヌナズナを用いて、SET1ドメインタンパク質SUVH2によるトランスポゾンの転移制御についての新しい知見を発表しました。この論文は博士課程2年生の牛 小蛍さんと修士課程2...
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2024.02.05最近の論文からついにガイコツパンダホヤの正体が判明! ~SNS による情報拡散から新種の発見へ~【概要】 北海道大学大学院理学院博士後期課程 3 年の長谷川尚弘氏はガイコツパンダホヤが新種のホヤで あることを発見し、指導教員である北海道大学大学院理学研究院の柁原 宏教授との共著論文中で Clavelina クラベリ...
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2024.01.30最近の論文からイルカの音響脂肪はもともと筋肉だった~イルカは噛むことをやめることで、水中で高度にはたらく聴覚を進化させた~【概要】 北海道大学大学院環境科学院修士課程の竹内 颯氏、同大学大学院地球環境科学研究院の早川卓志助教、同大学大学院水産科学研究院の松石 隆教授の研究グループは、鯨類(イルカ、クジラの仲間)が頭部に持つ「音響脂肪」が、陸...
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2024.01.22最近の論文から卵を産む哺乳類の色覚の進化を解明 ~昼も夜も活動するハリモグラの見ている世界~生態遺伝学系の早川卓志助教、大学院環境科学院修士課程(当時)の阪本詩乃さんと江澤拓海さんらの研究グループは、卵を産む哺乳類であるカモノハシとハリモグラの色覚に種差があることを解明しました。 オーストラリアに生息するカモノ...
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2024.01.15最近の論文から発声学習バイアスの個体差に関わる神経細胞を発見 ~学習個体差を考慮した神経教育学の推進に期待~概要 北海道大学大学院理学研究院の和多和宏教授らの研究グループは、自然科学研究機構生命創成探究センター及び生理学研究所の郷 康広教授との共同研究として、歌鳥(鳴禽類スズメ目)で近縁種ではあるが異なった歌パターンをもつキン...
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2023.12.06最近の論文からメッセンジャーRNAが短くなり動物が産まれる ~受精後の発生の仕組み解明に期待~北海道大学理学研究院の小谷友也准教授、大学院生命科学院博士課程(当時)の高田裕貴さん、大学院生命科学院博士・修士課程のFierro Ludivine さん、佐藤圭祐さん、眞田崇弘さん、石井晏和さんたちは、成熟mRNAが短...
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2023.10.26最近の論文から「細胞の中」から「根の外」を制御!?アブラナ科特異的なオルガネラ ER Bodyによる根圏微生物叢の制御を発見!北海道大学理学部の中野亮平教授らのグループは,ヤギェウォ大学の山田健志主任研究員,ポーランド科学アカデミーのPaweł Bednarek教授らとの共同研究により,アブラナ科植物が根圏の常在微生物叢(マイクロバイオータ[1...