地球の活動を詳細に知る ~地球惑星物質科学実習

地球惑星物質科/キャンパス外でのアクティビティ

地球惑星物質科学実習は2年生を対象としたオムニバス形式の実習で,毎回,担当する先生と実習内容が変わります。その実習地の一つに支笏湖と周辺地域があり,ここでは約4万6千年前の大噴火の痕跡を観察することができます。

現在の支笏湖はこの大噴火によって形成されたカルデラ湖です。この実習では支笏湖から遠く離れた千歳空港周辺から支笏湖畔まで,大噴火の堆積物を観察します。そして,噴出物から噴火の様子や推移を探るための技術をこの実習を通して身につけます。

学生は露頭(火山噴出物が露出する断面)をじっくり観察し,こまめにノートを取ったり,噴出物を手に取りルーペで観察したりと,実際に起こった巨大噴火の痕跡を一つ一つ確かめます。そうすることで,地球の活動のダイナミックさに圧倒され,感動するようです。また,学生同士で議論をしたり,担当の先生にその場で質問したりと,現地で見て学び,技術を身につけようと自ら積極的に活動する姿勢は,これから始まる研究生活への高いモチベーションとなるでしょう。

火山国と呼ばれる日本でも巨大噴火の痕跡をわかりやすく実感できる場所は国内では数は多くありません。札幌から1時間弱でアクセスできる支笏湖と周辺地域は,地の利を生かした北大ならではのとても贅沢なフィールド活動の場です。この実習は地球という惑星を学生が身をもって知る貴重な学びの機会となっています。

 

理学部広報誌「Sci」第3号(2018年7月発行)掲載。>理学部 広報・刊行物

LATEST TOPICS