2006(平成18)年4月に,地球物理学と地球惑星物質科学の2分野が地球科学科として統合され,平成23年度より地球惑星科学科と改称されました。これまでの分野の垣根を越えた独創性あふれる学際的な研究が強化されています。
地球には核・マントル・地殻・陸水・海洋・大気・電離層といった多様な構成要素が,短期的あるいは長期的に大きな変動をしています。たとえば,短期的な変動として地震・火山噴火・洪水・竜巻・オーロラが,長期的な変動として磁気変動・プレート運動・気候変動があげられます。
また,地球が宇宙の中の惑星であるという視点も重要です。このような複雑多様な地球惑星科学の諸問題の解明のため,既存の手法のみならず物理学・化学・生物学の最新の手法を積極的に取り入れています。
なにを学ぶか
1年次には共通科目によって,ほかの専門分野に触れる機会を持ち,異なる価値観を理解するとともに多様な発想と感性を磨きます。また,専門科目を学ぶための基礎となる考え方を身につけます。広く自然科学の手法を体験するための自然科学実験もあります。2年次より専門科目を学びます。3年次より,より専門性の高い講義と実験・実習がスタートし,卒業研究にそなえます。
どう学ぶか
2年次より,地球惑星科学で用いられる多様な方法論の基礎となるさまざまな講義が始まります。基礎的な実験も行います。3年次には地球・惑星・宇宙を理学するための多彩な講義が行われます。各自の興味に応じて,ぜひ意欲的に選択してください。地質学実習・地球計測などの野外研究を選択することもできますし,地球惑星科学で必要とされる数学・物理学・化学のより進んだ学習,応用的な実験技術・情報技術の習得などを進めることができます。
どう活かすか
地球惑星科学科は,地質・鉱物学,地球物理学,惑星物理学といった広範な学問分野を内包します。地球や惑星の数多くの未解決な問題や未発見の現象に迫るために,高度な研究技能を身につけることもできます。また,本学科では地球惑星科学研究において国際的に活躍する人材を育成するため,教養のある国際人としての素養も重視しています。さらには,地球惑星科学の知識や技術を使って社会問題の解決に貢献できる人材になることも期待されます。
卒業生の大部分が大学院に進学して,それぞれの興味に基づいた研究を発展させています。
学生・卒業生・教員の声
雲が好き、将来は自然史系博物館で働きたい! 教えて!理学部生 佐藤 英さん(学部3年)
化石、化石、化石…… #metime(ハッシュタグ ミータイム)〜研究者の自分時間〜 山田 敏弘 教授
先輩に聞く! 恐竜研究を通して学んだ「伝えること、つながること」 地球惑星システム科学講座 進化古生物研究室 修士課程2年 鈴木 花さん
フィールドの魅力は自然の偉大さを実感できること GPSを利用した地殻変動の観測 理学研究院附属地震火山研究観測センター 大園 真子さん(講師)
先輩に聞く! 自分の関心に応じて広く学んだ学部時代 研究者と社会を結ぶ重要性を今に生かす 国立研究開発法人 科学技術振興機構(JST) 「科学と社会」推進部 日下 葵さん
幅広いネットワークで進める地球資源の探査 地球システム進化研究グループ 鈴木 德行 特任教授,沢田 健 准教授
野外調査と試料分析で火山の噴火を予測 地球惑星システム科学講座 岩石学・火山研究グループ 中川 光弘教授
この学科を選んだ理由 今井 正尭さん(大学院理学院 宇宙理学専攻・博士後期課程2年),大野 辰遼さん(宇宙惑星グループ・学部4年)
※肩書,所属,学年は発表当時のものです