理学部長メッセージ

WONDER OF SCIENCE
好奇心から世界は広がる

北海道大学理学部長 堀口 健雄

北海道大学理学部は,数学科,物理学科,化学科,生物科学科・生物学専修,生物科学科・高分子機能学専修,地球惑星科学科の5学科・6専修から構成されています。それぞれの学科は扱う対象も手法も大いに異なるため共通点がほとんど無いようにも思えます。しかしながらこれらの学科に通底する「理学」には共通の特徴があります。それは,知的好奇心に基づき,自然界や数理における未解明の謎を解き明かしていくことを目指すという点です。このような理学特有のアプローチはいわゆる応用や実用化を目指す研究とは一線を画すものです。とはいえ理学が応用と全く無縁という訳でもありません。理学における研究テーマは極めて多様です。したがって中にはもともとは個人の知的好奇心に発する研究が,その後,応用面での大きな発展につながることも多々あります。本学部の卒業生で,2010年にノーベル化学賞を受賞された鈴木 章先生のクロスカップリングの研究などもその例です。知的好奇心から始まる全ての研究成果は,やがて知の体系に組み込まれ人類共通の財産としてさらなる研究の発展の礎となります。

どのような自然現象,どのような謎に心惹かれるか,それは人それぞれです。理学部ではすでに知られた自然界を支配する基礎的な法則や理論・原理を学ぶだけでなく,それぞれの知的好奇心を大切にし,自然現象に向き合い,そこに潜む法則を見抜く力を養うことを教育の目標としています。複雑な現代社会では,直面する新たな問題,予期せぬ課題に対応するための洞察力,問題解決能力が強く求められています。理学部は研究者志向の人のための学部と思われがちですが,理学部の教育は,研究職に従事するか否かに関わらず,社会に求められるこのような人材の育成に力を発揮します。現に理学部の教育を受けた卒業生諸君はありとあらゆる方面で活躍しています。

自然に関心を持ち,自然現象のメカニズムを解明したいと考えている人,物事を論理的に説明したいと考えている人,時流に流されることのない真理を探究したいと考えている人,観察や実験が好きで納得が行くまで続けたいと考えている人……そのような人たちにとって北海道大学理学部は理想的な環境です。みなさんは自分自身の力で自然界の謎を解いてみたいと思いませんか。是非,私たちと一緒に知的好奇心の芽を大きく育ててみようではありませんか。

理学部長プロフィール

1979年 筑波大学生物学類 卒業
1984年 筑波大学生物科学専攻博士課程修了
1984-1985年 学振特別研究員
1985-1987年 University of Natal(南ア)博士研究員
1987-1988年 University of the Witwatersrand(南ア)博士研究員
1988-1993年 信州大学教育学部
1993年- 北海道大学

国立大学法人理学部長会議声明―未来への投資―