日立北大ラボとの密接連携で問題解決型学習を実践

数学科

日立北大ラボでは,一般的に普及しているCPUの性能を格段に向上させるべく非ノイマン型計算機の開発を進めています。特に,与えられた問題を適切な設定に落とし込むための変換技術に関する基礎研究において数学科との連携を強めています。目標は,数値計算的焼き鈍(なま)し過程を上手く設定することで,如何に高速に組合せ論的最適化問題を解くことができるかという問題に係る基礎理論を確立することです。このような研究では,数学の得意な若手の柔軟な発想が欠かせません。

一方,数学科の学生は,今,自分が勉強している数学が会社に就職した後でどの様に役立つのかが見えないことに不安を抱くことが少なくありません。とにかく論理的思考力を鍛え,コミュニケーション能力を身につけておきさえすれば,実際に就職したときに企業から与えられる具体的な問題を解くことに十分対応出来る,と助言を受けても,なかなか実感が湧かないからです。そんな中,日立北大ラボでは,次世代型のイジングコンピュータの開発に関する問題を具体的に提供しており,意欲的な学生にとって自分の力量を試す良いチャンスとなっています。

この様に数学科の学生のニーズと日立北大ラボのニーズがピタリとマッチしているので,今後,ますます多くの学生が,日立北大ラボで問題解決型学習の醍醐味を体験していくことになるでしょう。

(文責: 久保 英夫 教授)

イジング模型の高温相と低温相でのスピン状態と,温度Tの変化に応じた自発磁化の振る舞い

 

理学部広報誌「Sci」第2号(2018年1月発行)掲載。>理学部 広報・刊行物

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