関節の病気で苦しむ患者さんに医療器具を

ソフト&ウェットマター研究室 黒川 孝幸 教授,日本特殊陶業株式会社 岩田 昌也さん

私たちは「DN(ダブルネットワーク)ゲル」という強靭な材料を研究しています。そして,このDNゲルを関節疾患に苦しんでいる人の治療に役立つ医療器具として使う実用化研究のために日本特殊陶業株式会社と北大産学・地域協働推進機構内に産業創出部門を2017年に作りました。

DNゲルを軟骨の代わりの材料にするために,多くの実験を行っています。また,生きものの体の中に埋め込むものなので,安全性を確保するための方法を確立していきます。今はDNゲルを動物の関節に埋め込んで観察していますが,短期的な悪影響は現れていません。これからは何十年と時間が経つ中でゲルがすり減った場合の炎症性をマクロファージ細胞を使って観察していきます。これらの研究は医学部の先生たちにも協力してもらい,一緒に行っています。

この研究に参加している学生たちは「役立つものを作りたい」という気持ちを強めています。やっていることは基礎研究ですが,それが社会に役立つと信じています。研究に対するモチベーションがとても高く,医療器具として医療の現場で使われるというゴールを目指して日々努力をしています。また,ゲルは産業界ではまだあまり使われていない材料なので,今後,ゲルを扱える貴重な人材として産業界で活躍できることでしょう。

研究で大事なことは「結果を予想してワクワクできるかどうか?」です。10年後の医療現場での実用化を目指して,ワクワク感を忘れずに研究を進めていきます。

DNゲルをハンマーで叩いて強さを見る安倍総理 出典: 首相官邸ホームページ

※肩書,所属,学年は発表当時のものです

理学部広報誌「Sci」第2号(2018年1月発行)掲載。>理学部 広報・刊行物

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