活動の原点は北大理学部での研究生活圧倒的な突き抜けた知の創造を!

株式会社ソーシャルキャピタルインテグレーション 代表取締役 舟橋 正浩さん

化学科を卒業して放送局に就職したのち,物理学専攻の大学院に進学しました。大学院で専攻を変えたのは1995年に地下鉄サリン事件を見たのが大きな理由です。メガシティ東京で起こった世界初の化学兵器テロに化学を修めた人が多く関わったと知り,「科学とは何か」を研究したくなったのです。このような科学哲学を研究できるのも北大理学部の特徴ですね。

化学科の頃は実験三昧でした。日中は測定サンプルの抽出に励み夜にNMR(核磁気共鳴)計測という毎日でした。物理学専攻で科学哲学を研究していた頃は,朝はバイトに行き,日中は研究室,夜は毎晩の飲み会というサイクルでした。自分で学費と生活費を稼ぎ,大学では文献を読みまくり,夜は視野を広げるという生活でした。

北大理学部で研究生活を満喫し,大学などの公的組織は社会との関係により成り立つと思い至りました。そして,公的組織や活動を支援する会社を作りました。北大理学部の先生とNPO法人を作り,去年から「北海道こんぶDay」を開催したりしています。きき出汁コンテスト,こんぶマジックショー等がある面白イベントですが,社会に研究への関心を持ってもらう仕掛けです。

この仕事で気づいたことがあります。科学者は「他者の理解できないこと」を研究するべきなのです。私の会社は「金にならない研究はない。金にする工夫はプロである我々のミッション」との理念で経営しています。大学での研究が誰でも理解できる離乳食みたいなレベルでは産業的にも有用ではありません。つまり,圧倒的な突き抜けた知の創造こそがアカデミズムの存在意義でありイノベーションの源泉なのです。ぜひ,一般人には意味不明な研究をする北大理学部の仲間になってください。

こんぶマスクのちびっ子が,こんぶマジシャンをサポート中。毎年11月中旬の「北海道こんぶDay」は楽しみながら研究を応援するイベントです。

舟橋 正浩さん
株式会社ランド アロマテラピー 基礎研究所 所長
特定非営利活動法人 北海道こんぶ研究会 理事
多摩大学 情報社会学研究所 客員研究員

1994年3月 北海道大学理学部化学科卒業
1997年3月 北海道大学大学院理学研究科 物理学専攻修士課程修了

理学部広報誌「Sci」第2号(2018年1月発行)掲載。>理学部 広報・刊行物

※肩書,所属,学年は広報誌掲載当時のものです。

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