新しい日常をつくる~ 学生の学びを守る理学の挑戦 ~
誰もが経験したことのないコロナ禍で、大学への入構規制も行われ、これまでの教育体系の変更を迫られた2 年間。学びの機会を確保するために、どのような取り組みを行い、またアフターコロナに向けてどのような新しい日常を作っていくのか。学びを止めない理学部各学科の挑戦を紹介します。
物理学科とは
物理学は自然界の普遍的な法則や原理を追求し、新たな現象の発見や応用を目指す学問です。物理学科では、研究の基礎となる古典力学、熱力学、量子力学、統計力学といった内容を、講義と演習、実験で教えています。実験では、超伝導体の作成、トランジスタの特性調査、結晶の構造解析などを通して、その後の研究の基礎を学びます。
一人一人の理解度に応じて
以前の講義は、1クラス40〜80名の一般的なスタイルをとっていました。コロナ禍の制限が大きくなってからは、授業はオンラインライブ配信とオンデマンド配信を併用しました。制限レベルが下がり対面授業が可能になっても、オンデマンドで講義を事前に視聴できるようにしています。オンデマンドは自分のペースで進められるので効果的である一方、一人で学ぶことが難しい学生に対しては、より丁寧な解説の必要性があります。そこでこれまでの講義を見直し、前半は座学形式、後半は質疑応答の時間に充てることにしました。これにより一人一人の理解度に応じた学習が可能になりました。
レポート課題については、模範解答を示したり、メールで質問を受け付けたり、学生の理解到達度を上げるよう努めています。
オンデマンド活用で広がる可能性
オンデマンド用にビデオ教材を作るのは大変な労力を要しましたが、学生が事前に視聴でき、また何度でも見直すことができるので予習復習にとても有効であることが分かりました。これは今後も活用していこうと考えています。通学時間の削減や、通学が難しい状況など、多種多様な学生に対して、どんな状況でも学べる環境が広がりました。
実験は体験できるように
一方で実際に手を動かす実験については、やはり体験してほしいと思っています。現在は、グループ毎の入れ替え制にして人数を減らして行っています。また、事前に実験内容や手順の映像をアップロードし予習できるようにすることで、実験室の滞在時間を短くする工夫をしています。
研究室紹介も積極的に開催
所属研究室を決める3年生に対しては、研究室紹介を開催しており、状況に応じてオンラインや対面で先輩学生が質問に答える場を設けています。
この他、実際に訪問してもらう研究室見学も開催しています。百聞は一見に如かず。制限がより緩和されたら、学生同士の交流の場をもっと増やしたいと考えています。
自然界の謎解きに挑戦しませんか
物理学というのは、宇宙の始まりから138億年ずっと続いている自然界の仕組みを解き明かしていく学問で
す。人間が手を加えることのできない普遍的なもので、未知なる現象で満ちています。その謎解きに一緒に挑戦しませんか。ワクワクしますよ。
理学部広報誌「彩」第7号(2022年2月発行)掲載。>理学部 広報・刊行物
※肩書、所属は、広報誌発行当時のものです。