興味やりたい事を 大切に

アステラス製薬株式会社 佐藤優衣さん

私は高校時代「遺伝子以外のゲノム領域には何の意味があるのだろう?」という疑問をもっていました。同時に様々な大学情報を収集する中で、北海道大学理学部生物科学科で自分の疑問の答えを見つけたいと考え、進学を目指すことにしました。

入学後しばらくは大学に進学できた安心感から、モラトリアムを満喫しながら過ごしていました。しかし学部3年時の研究室選択の時期が迫ったころ、同級生たちの張り詰めた空気に影響され「自分が本当に研究したい事」を真剣に考え始めました。生物科学科の多種多様な研究室を一つ一つ確認した結果、ゲノムのノンコーディング領域の機能解析を行っている木村敦先生の研究室なら興味のあった領域の研究ができることが分かり、配属希望を出しました。

研究室配属直後は慣れない実験や雑務に困惑しながら、なんとかしがみついている状態でしたが、最初の研究テーマが自分の興味と完全に一致しており、研究の楽しさにどんどんのめりこんでいきました。修士課程に進学した頃には、すでに博士課程進学以外の道は考えられなくなっていました。

博士課程進学後もひたすら未知への探求を楽しんでいましたが、ふと「自分の知識や技術を少しでも人の役に立つ事に使えないだろうか?」と考え始めました。そこで博士課程3年時に企業への就職活動を開始し、博士号取得後の一年間を木村研究室でポスドクとして過ごした後に、アステラス製薬株式会社へ入社しました。

入社後は薬理担当として社内ベンチャーに配属され、創薬研究の推進や新規創薬テーマの創出等に携わっています。仕事は上手く進まない事もありますが、試行錯誤しながら楽しんでいます。

理学部には多くの魅力的な研究室があります。ぜひ興味のある研究室ホームページを覗いてみて下さい。自分のやりたい事がきっと見つかるはずです。また理学部は基礎研究のイメージが強いのですが、アカデミアだけではなく企業への就職という道もあり、多様な進路を選択できます。理学部での学びや研究を楽しんで、自分の興味からキャリアを広げていってください。

佐藤優衣さん
2013年 理学部生物科学科(生物学)卒業/2018年 大学院生命科学院 博士課程修了。博士(理学)。現在、アステラス製薬株式会社。


理学部広報誌「彩」第7号(2022年2月発行)掲載。>理学部 広報・刊行物

※肩書、所属は広報誌発行当時のものです。

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