小西 里緒さん(量子化学研究室・学部3年)
自分はまだ学部3年生で研究室に配属されてあまり時間が経っていません。そのため,先輩たちや先生から研究手法を学び取っている段階です。理論化学の研究室ではいわゆる実験はしません。パソコンに向かって研究をします。化学反応の経路を自動で見つけ出すシミュレーション手法を開発しているのです。実験ではわからなかった瞬間的な反応メカニズムが理論からわかるようになるため,新薬の開発などに繋がる可能性があります。
これからの自分の研究では,化合物の名前を複数入れると自動で全部の反応が出てくるようなプログラムの開発を目指します。修士課程に進んでさらに学び,将来はIT企業のプログラマーになりたいです。
加藤 港介さん(有機第二研究室・学部3年)
中学から好きだった化学を勉強しようと北大に入学しました。しかし,どの理系学部にも進める総合入試で入学したため,大学1年では幅広くさまざまな分野の勉強をしました。その結果,やっぱり化学をやりたい気持ちが膨らみ,より深く学ぼうと化学科に来ました。
研究を始めたばかりですが,実験がとても楽しいので,修士課程に進学するつもりです。博士後期課程でさらに研究するのも魅力的ですが,修士課程修了で就職するキャリアプランもありえると思っています。
学部2年春から3年秋までさまざまな学生実験を繰り返すのは化学科ならではです。短期間で実験レポートを書くのは大変ですが,力がつくのが実感できます。
学科教員から
化学科 学科長 佐田和己教授
21世紀は化学の時代です。環境・エネルギー問題に革新的な化学の力が必要です。生命を解き明かし分子レベルで理解する。物質をあやつって新材料をつくる。実験と理論の協働で新概念を生み出す。すべての方法で課題解決を支えるのが化学です。これに向かい,化学科で講義と実験を通じて基礎科学を重層的に身につけていきましょう。基礎科学のすべての分野で高い研究成果を出している化学科での卒業研究は実践的なチャンスです。コンピューターを駆使した化学反応シミュレーション手法開発も北大化学科の特徴です。大学院では工学系の化学分野研究室との融合連携も深めており進路の幅も広がっています。
理学部広報誌「Sci」第0号(2017年3月発行)掲載。>理学部 広報・刊行物
※肩書,所属,学年は発表当時のものです。