タイトルの写真:エルムの森で行われた前夜祭
理学部は1930年に創設され、2030年に100周年を迎えます。今から45年前の1980年に創立50周年を記念して諸行事が2日間にわたり実施されました。その模様を、時系列でご紹介します。
1980年9月26日(金)
午後2時、学術講演会
新装された講義室で、立岡末雄氏(化学5期/武田科学振興財団理事長)、桑原万寿太郎氏(動物1期/基礎生物学研究所長)の講演が行われました。
午後4時、記念植樹
植樹の樹種としてコブシ、モミジ、ナナカマド、ツツジが候補になりましたが、ナナカマドは文系学部前にたくさん植えられてあるので、ヤマモミジを中央道路沿いに、コブシは温室近くに植えました。さらに色付けとして、理学部本館前にクロフネツツジを植えました。これは理学部創設時に温室の圃場に植えられたものです。毎年5月には実に見事に花を咲かせます。

午後5時、記念式典前夜祭
理学部南側エルムの樹陰で前夜祭が催されました。やや冷涼ながら好天に恵まれ、紅白幕に囲まれた会場には、学部生・大学院生・教職員が参集し田治米鏡二学部長の挨拶によって開宴となりました。
参加者は時間とともに増え、500名を超える盛会となり、生ビールとオードブルを再三追加注文したそうです。学科、年代の垣根を越えて歓談が続き、最後に「都ぞ弥生」で締めくくられ、めでたく閉会となりました。
9月27日(土)
午後1時、公開座談会
北海道新聞社会議室に200名を越える市民が集まりました。
テーマ:「科学と人間の未来」、講師:大沢弘之氏(物理16期)/川道武男氏(動
物37期)/浜田和郎氏(地球物理4期)/松宮弘幸氏(化物23期)
午後3時、記念式典
札幌グランドホテル銀扇の間にて式典が挙行されました。理学部OB合奏団によりモーツァルトの弦楽セレナードが演奏された後、田治米学部長が式辞で「教育とは植林のようなものであり、良質の樹木を育てるには絶えず下草を刈ることを怠ってはならない。学生の質を高めんとすればまず教職員とくに研究者の質を高めなくてはならない。」と述べました 。その後、今村成和学長の祝辞、初代教授をはじめとする功労者および永年勤務者の表彰が行われ午後4時半に盛会裏に終了しました。
午後5時、記念祝賀会
同ホテル2階の金枝の間で行われ、450名の参加者で埋め尽くされました。有江幹男工学部長のユーモアに富んだ祝辞からはじまり、後半は各学科1期生によるテーブルスピーチでムードが高まりました。最後は、吉田仁志教授(化学科)の音頭で2回目の「都ぞ弥生」の斉唱がはじまり、300名を越える大合唱でクライマックスに達し、鳴りやまぬ拍手のなか、幕をとじました。
(文:北海道大学理学部同窓会 事務局長 髙橋克郎)

参考文献:理学部同窓会誌11号(1980年度 理学部創立50周年記念号)
理学部広報誌「彩」第12号(2025年2月発行)掲載。>理学部 広報・刊行物