理学界隈 ~ちょっと教えて、それぞれの“学科らしさ”~
理学部には、数学・物理学・化学・生物学・高分子機能学・地球惑星科学といった、多彩で奥行きのある分野が広がっています。それぞれの“界隈”に身を置く学生たちは、日々どのような問いと向き合い、どんな発見や葛藤を経験しているのでしょうか。研究のおもしろさ、学びの中で感じた壁や試行錯誤、同じ分野だからこそ共感しあえる瞬間……。今回は理学部を卒業し、大学院へと進学した学生のみなさんに、率直な言葉で語ってもらいました。進学を考える方にとって、理学部で学ぶ日常とその先の姿が、少し具体的に見えてくるはずです。

伴 高校の地学部に太陽観測設備があって、当時から黒点やプロミネンスを観測したり、化石発掘にも行っていたので、地球惑星科学科(以下、地惑)への進学は自然な流れでした。
安藤 私は小さいころから自然が好きでしたが、特に地学に詳しいわけではなくて。総合理系で入学後、気象や宇宙の授業を受けて「おもしろい!」と思ったので地惑に進学しました。
伴 大学って、専門的で限られた分野を学ぶと思っていました。でも実際は、想像以上に幅広くて奥深い。地惑は、地球、大気、気象、宇宙までとても広く学べますよね。分野を越えて学びがつながるのが魅力です。
安藤 理系のいわゆる化学・物理・生物・数学・情報の科目とも全部繋がっている感じ。
伴 本当にそう。僕はジュラ紀の植物化石、特に急激な地球温暖化が起きたときの陸上の植物の変化を調べています。化石を調べるには、組織の観察はもちろん、年代測定や成分分析など物理や化学の知識も欠かせないんです。夏に山口県に調査に行き、おもしろそうな化石をたくさん見つけてきました。化石採集も楽しいし、持ち帰って詳しく調べるのもワクワクします。
安藤 私は人工衛星ALOS-2のデータを使って、海上豪雨の観測データをどう活かしていけるか検討しています。気象学には化学や物理、数学やプログラミングの知識も必要なので、本当に理系の全科目使う感じです。

伴 地惑といえばやっぱりフィールドワークが特徴。僕は3年生の日高実習が思い出深いです。一本の沢を自分たちで調査して、ルートマップや柱状図を作りました。露頭の場所や石の種類を調べるなど、基礎的な地質調査を学び、今の研究調査の土台になる経験ができました。
安藤 私は有珠山に行った計測実習。洞爺湖で打ち上げる花火の振動を地震計で測る実習がとても印象に残っています。夜は先生も学生も一緒に賑やかに過ごして、普段の授業では聞けない研究の裏話も聞けましたね。
伴 フィールドに行く人は、大学院生になるとマイハンマーやマイヘルメット、クリノメーター、登山靴、そして野帳(フィールドノート)を持っていて、クマ撃退スプレーも必須。

安藤 先生たちは個性的で、話していてとても楽しいです。服装もラフで自由な感じが地惑らしいと思います。
伴 先生や先輩と一緒にフィールドワークに行き、寝食も共にするから距離が近くて、何でも相談しやすいです。博士課程への進学率も高いですよね。あと、地惑の人って普段からつい地形や岩石、空とか見ちゃいますよね。旅行中もついブラタモリみたいになります。「あ、柱状節理だ!」とか。
安藤 そうそう。みんな自然を見ずにはいられない。理学部8号館の掲示板には初雪予想とか桜開花予想が貼られていたりして、そういうところにも地惑らしさを感じます。自然が好きな人はもちろん、データ解析などでプログラミングが得意な人も活躍できる環境 だと思います。
伴 地惑は化学・物理・生物・数学・情報、全てがつながる総合知。地球の深部から宇宙の果てまで、地惑のフィールドは、どこまでも広がっています。
理学部広報誌「彩」第13号(2026年2月発行)掲載。>理学部 広報・刊行物
※肩書、所属は、広報誌発行当時のものです。