理学界隈 ~ちょっと教えて、それぞれの“学科らしさ”~
理学部には、数学・物理学・化学・生物学・高分子機能学・地球惑星科学といった、多彩で奥行きのある分野が広がっています。それぞれの“界隈”に身を置く学生たちは、日々どのような問いと向き合い、どんな発見や葛藤を経験しているのでしょうか。研究のおもしろさ、学びの中で感じた壁や試行錯誤、同じ分野だからこそ共感しあえる瞬間……。今回は理学部を卒業し、大学院へと進学した学生のみなさんに、率直な言葉で語ってもらいました。進学を考える方にとって、理学部で学ぶ日常とその先の姿が、少し具体的に見えてくるはずです。

永坂 生物科学科/生物学専修、通称「生生(なまなま)」は、なんと言ても生き物好きが集まる学科です。土を掘り返して生き物を探すような授業も、多少の好き嫌いはあっても、みんな抵抗なく受け入れていました。
前山 進学して最初の実習がいきなりマウスの解剖でびっくりしました。緊張もしたけど、すぐ慣れましたね。
永坂 生生では、生命の始まりとなる受精や発生といったミクロな世界から、個体としての生き物を対象とするマクロな研究まで、生物に関わる幅広い領域を学びます。

前山 僕は生物に漠然と興味があったので、まずは北大の総合理系に入りました。1年間、さまざまな授業を受けてから進路を選べたのは、とてもよかったです。
永坂 生生ならではといえば、室蘭、厚岸の臨海実験所での宿泊実習(選択制)ですね。グループで協力して海の生き物を採集・観察するので、自然と会話も増えて仲が深まります。夜は焚き火や花火、ゲームなどで和気あいあいと過ごし、学びと交流が一体になった、とても印象的な実習でした。
前山 仲の良さといえば、学年のグループL I N Eで釣りやザリガニ獲りのお誘いが来るのも〝生生あるある〞。高校のクラスみたいな仲の良さがありますね。
永坂 生生には個性的な人が多くて、自分の興味を突きつめてきた人ばかり。しかもその理由が「だっておもしろいから」「知りたいから」という極めてシンプルなもの。だから、互いの個性を尊重しあえる仲間が集まっているのだと思います。
前山 珍しい植物を見つけたら、すぐ調べる人が多いのも生生らしさです。北大でバイカルハナウド(毒性の強い外来種)らしき植物が見つかった時も、みんな興味津々で盛り上がりました。
永坂 顕微鏡スケッチの授業も特徴です。一人一台、百万円以上する顕微鏡を使い、細菌、花粉、動物の生殖細胞、などを観察します。輪郭を重ね描きせず一本の線で描くこと、色の濃淡は塗りつぶさず点描で表現することが求められます。描けば描くほど見えるものが増え、観察眼が鍛えられます。
前山 スケッチは観察力を鍛えるだけでなく研究の基礎となる大事な記録にもなります。学部の学生実験でしっかり教わりました。僕はスケッチが苦手でしたけどがんばりました(笑)。
永坂 私は現在、コオロギを使って神経系の仕組みを調べています。神経系は未知の部分が多く、もっともっと深く探っていきたいと思っています。
前山 僕は植物の根を対象に栄養感知の仕組みを調べています。指導教員との距離が近く、思いついたことをすぐ共有できるので、対等にディスカッションしながら研究を進められます。
永坂 生生は、生き物好きには本当に楽しい場所。オープンキャンパスに足を運んで、生き物と向き合う学びのリアルな様子に触れてみるのもおすすめです。
前山 高校までは〝すでに分かっていること〞を学びますが、大学では〝まだ答えのないこと〞に向き合います。教科書に載っていないことを自分で探るおもしろさ、疑問を突き詰めていく過程を、ぜひ生生の学びで味わってほしいです。
理学部広報誌「彩」第13号(2026年2月発行)掲載。>理学部 広報・刊行物
※肩書、所属は、広報誌発行当時のものです。