北海道大学大学院理学研究院の及川 英秋 教授,南 篤志 准教授の研究グループは,植物ホルモンであるアブシジン酸をつくるメカニズムを解明し,その人工生産に成功しました。
アブシジン酸(ABA)は,種子の休眠やストレス応答に関わる重要な植物ホルモンです。主に米国でトマト,ブドウといった野菜・果実類の肥大や着色促進剤,発芽時期の調整剤として農業利用されているほか,塩害による作物生産量の低下改善や乾燥地域の緑化にも効果があると期待されています。植物ホルモンという名称からもわかるように,種子植物全般でつくられているほか,菌類である糸状菌などもABAを生産することが知られていました。
本研究グループは,糸状菌がABAをつくるメカニズムの解明を目指して研究を進め,鍵となる新しいタイプの環化酵素を突き止めました。さらに,ABAをつくるために必要な4種の酵素遺伝子を麹(こうじ)菌に導入したところ,麹菌がABAをつくることを確認しました。
詳細は理学研究院>研究ニュースをご覧ください