メッセンジャーRNAが短くなり動物が産まれる～受精後の発生の仕組み解明に期待～（理学研究院 生物科学部門：准教授 小谷友也）

2023年11月28日

北海道大学大学院理学研究院の小谷友也准教授らの研究グループは、慶應義塾大学医学部医化学教室の山本雄広専任講師と共同で、成熟mRNAが短くなることを発見し、動物が産まれてくるための新たな仕組みを解明しました。

細胞の核で転写されたmRNAは細胞質に運ばれる前に長さと配列が決定され、成熟mRNAとなります。成熟したmRNAは、長さを変えることはないと考えられてきました。また、動物の受精卵は発生を進めるためにmRNAからタンパク質を合成しますが、その場所と時期は厳密にコントロールされる必要があると考えられています。研究グループは、動物の受精卵に蓄えられたmRNAが発生のある時期に部分的に短くなることを発見しました。

mRNAの短縮とタンパク質の合成・発生の進行。受精卵においてpou5f3 mRNAは不活性な状態で存在し、タンパク質を合成しない（翻訳の抑制）。受精後にmRNAは短くなり（3’末端の短縮）、タンパク質を合成する（翻訳の活性化）。合成されたタンパク質は、発生を進行させる。

詳細は理学研究院＞研究ニュースをご覧ください。

小谷友也准教授による解説はこちら（生物科学科/生物学のページ）をご覧ください。