北海道大学大学院理学研究院の日置幸介教授(地球惑星科学部門 宇宙測地学研究室)、同大学院理学院修士課程の松下 愛氏及びインド国立理工学院地球科学科のバスカル・クンドゥ助教らの共同研究グループは、イスラエル及びパレスチナに展開された全球航法衛星システム(GNSS/GPS)のデータを解析した結果、レバノン・ベイルートで2020年8月4日午後6時過ぎ(現地時間)に発生した大爆発に伴って生じた爆風(音波)が、高度300kmの電離圏F領域にまで達して電離圏擾乱を引き起こしていたことを発見しました。
電離圏擾乱は、例えば2004年浅間山噴火や2011年霧島新燃岳噴火、2015年口永良部島噴火などによっても発生していますが、今回の大爆発による電離圏撹乱は、これらの過去の爆発的火山噴火に伴うものと同程度で、人類が引き起こした爆発の規模としては核実験を除くと歴史上最大級でした。
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