北海道大学大学院理研究院の竹内勇一准教授、富山大学医学部(研究当時)の樋口祐那氏、帝京大学先端総合研究機構の渡邉貴樹講師、名古屋大学大学院理学研究科の小田洋一名誉教授からなる研究グループは、アフリカ・タンガニイカ湖に棲む鱗食性シクリッド科魚類Perissodus microlepis(鱗食魚)には鋭敏に反応する利き眼があり、捕食や逃避にとって有利に働くことを突き止めました。
今後は、利き手や利き眼など異なる次元の利きが脳によってどのように統御されているのか、「利きの脳内制御機構」の全容が解明できると考えています。さらに注目すべきは、利き眼への白内障処理で、本来の利きとは逆側から獲物を襲撃するようになった点です。この現象を活用して、利きが生後環境でどのように変化しうるか、「経験による利きの強化」や「利きの矯正」を研究する実験系への応用が期待されます。

論文名:Dominant eye-dependent lateralized behavior in the scale-eating cichlid fish, Perissodus microlepis(鱗食性シクリッドにおける利き眼に基づく行動の左右性)
DOI:10.1038/s41598-025-10359-6
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