北海道大学大学院先端生命科学研究院の比能洋教授と同大学大学院生命科学院博士後期課程のリー・ジューン・チェイン氏及び浦上彰吾氏らの研究グループは、O111型の腸管出血性大腸菌及びO111由来の市販リポ多糖に、それぞれ既知のO111型抗原多糖とその亜型が混在していることを迅速同定・発見しました。また、核磁気共鳴法(NMR)を用いて亜型O111型抗原多糖の化学構造を決定しました。
MALDIグリコタイピング法は、同一装置で「大腸菌O111」など「菌種+糖鎖型」情報の同定を可能とします。また微生物の持つ多糖は発酵食品の食感や免疫賦活機能等にも深く関与します。本技術は臨床微生物学分野にとどまらず、食品産業、物流の安全保障など、幅広い分野での活用が期待されます。
なお、本研究成果は、2024年11月4日(月)公開のInternational Journal of Biological Macromolecules誌に掲載されました。
プレスリリース:多糖抗原のわずかな違いを迅速に捉える技術の実証~病原性大腸菌O111亜型株の発見と構造決定、ワクチン開発等の迅速化に期待~(先端生命科学研究院 教授 比能洋)