北海道大学大学院理学研究院の石垣 侑祐 准教授及び同大学大学院総合化学院博士後期課程の張本 尚氏らの研究グループは、二つのキノジメタン型レドックスユニットを硫黄原子で架橋したジチインビスキノジメタン型分子(SS-BQD)を合成し、柔軟な分子構造変化を利用することでドミノ型のレドックス反応が進行することを初めて実証しました。
研究グループは、分子構造自体をコントロールすることが成功の鍵を握ると考え、柔軟なジチインビスキノジメタン型分子(SS-BQD)を設計、合成しました。その結果、最初の酸化反応をトリガーとして、酸化されやすい分子構造へと速やかに変化することで、後続の酸化反応が連鎖的に進行することを明らかにしました。さらに、温度変化によって多電子輸送特性を制御可能なことから、ドミノレドックス反応を利用した材料開発への展開が期待されます。
論文名:Domino-Redox Reaction Induced by An Electrochemically Triggered Conformational Change(電気化学的刺激に基づく構造変化により実現されたドミノレドックス反応)
URL:https://doi.org/10.1002/anie.202316753
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